英語がいらなくなる日は来るの?グーグル翻訳の進化が凄すぎる

英語がペラペラの人を見るとかっこいいですよね。TOEICのスコアが900点を超えていると自慢できますし、大学受験でもAO入試のように英語一科目だけで入学できてしまう制度もあったりします。そして最近では義務教育の小学生から英語学習が開始されていて、今後はさらに開始する学年が引き下げられる話もあります。このように日本ではこと英語教育に力が入れられていて、英語力が高い人というのは重宝される傾向があります。ところが、もしかすると数十年後には英語がいらなくなるかもしれない、そんな可能性が出てきたのです。

グーグル翻訳が劇的に進化している件

グーグル翻訳のようなウェブにおける機械翻訳というのは10年以上前からありました。しかし当時の翻訳機能は本当にお粗末で、日本語に訳した文章が支離滅裂な暗号文みたいでろくに読めたものではありませんでした。しかし今年に入ってから一つ翻訳のグレードが上がり劇的に進化したようです。

新たにニューラルネットワークを導入


上の画像は、BCCニュースの記事(参考: BBC)をコピペしてグーグル翻訳で日本語訳したものです。所々わかりにくい表現はありますが、全体の意味は通じますよね。原文と比較しても、意味はほとんど合ってます(特に簡単な文は完璧)。ひょっとしたらこの文章がこのままニュースサイトに掲載されていても、グーグル翻訳を使ったなんて気付かない人もいるかもしれません。ここまで翻訳の精度を上げられた背景にニューラルネットワークの導入というものがあるそうです。

ニューラルネットワークとは人間の脳神経系をモデルにした情報処理システムのこと。コンピュータに学習能力を持たせることにより文字認識や音声認識など、コンピュータが苦手としている処理に有効なんだそう。(参考: かみあぷ)

なんだか恐ろしいですよね。コンピュータも人間と同じように言語学習の能力を手に入れたということみたいです。「学習」するということは、使えば使うほど精度が上がるということでしょう。今の段階でこのレベルなので将来どうなっているか…なんて考えると怖いですね。

10数年後にはさらに完璧な翻訳が可能になる!?

考えてみてください、10年前(2006年)と今(2016年)を比べてここまで翻訳の精度が向上したのですから、順当に考えれば10年後(2026年)、もしくはさらにそれより先の時代には、より完璧に近い翻訳が可能になる可能性があるのです。今は不完全で誤訳のある、「細かいニュアンス」や「文化特有の言い回し」なども理解できるようになっていくのかもしれません。もちろん、逆に今がピークで「10年後も全く向上していない」という可能性もありますが、なにせ「学習」の能力が搭載されたのですから、世界大戦でも起きてグーグルのサーバーが停止されない限り、グーグル翻訳の機能は今後も向上を続けていくことはほぼ間違いないでしょう。

最後に

その昔、タイピングを出来る人は限られていたので、代行するタイピストという職業がありました。その後パソコンやワープロソフトの普及で、誰でも簡単にタイプが出来るようになったのでタイピストは消えたのです。

今ある英語が必要な仕事もこれと似ていて、将来的には今よりも数を減らすのかもしれません。もちろん「翻訳とタイピストの仕事を一緒にするな」と憤慨する人もいるかもしれませんが、この話は現実的にあり得ない話でもないでしょう。グーグル翻訳で誰でも簡単にどの言語にも訳せるようになったら、翻訳や通訳は今より必要なくなるでしょう。

グーグル翻訳のニューラルネットワークが今後どこまで進化できるのかは全くもって未知数です。今まで誰も見たことがないので当然です。もしかしたら全然大したことはなくて、「やっぱり人間が翻訳しなきゃダメだよね」という結末になるかもしれないし、逆にグーグル翻訳さえあれば外国語学習なんて一切不要、上智大学も倒産、なんてこともあるかもしれません。ちょうどグーグルマップのおかげで、地図を暗記する必要がなくなったことや、電卓の登場で無理に暗算をしなくても良くなったことに似ているかもしれません。

もちろん、将来グーグル翻訳が完璧になっても、教育の現場から英語学習が消えることはないでしょう。これは、古文が現代社会において役に立たなくても、今も学校で学び続けていることに似ています。少なくとも、今は大学入試でも英語ファーストの傾向がありますが、今後は英語の優先順位は下がっていくかもしれません。それよりも、プログラミングなどのIT関連の情報学習がより重要になるのではないでしょうか。未来のことは誰にもわかりませんが、起こりうる事態を想定して今から備えておくことは大切ですね。