アマゾンのプライムエアーが始まると、どうなる?

先日アマゾンのドローン配達サービスである、「プライムエアー」が初めて実証実験に成功したというニュースが話題になりました。既に数十人の顧客に対してドローンによる配達に成功しているとのことで、現在実際にサービスを開始するめどが立ってきたのではないかと期待されています。そこで今回はこの「プライムエアー」が実際にサービス開始したら、一体どのようなことが起きるのか考えていこうと思います。

サービス開始に向けての課題は?

まずは「プライムエアー」を実際に始めるにあたって、どのような課題があるのか見ていこうと思います。上の動画は実際にイギリスで「プライムエアー」の配達実験をしたときの動画です。この動画と、アマゾンの公式発表の内容から見えてくる課題点にはどういうものがあるのでしょうか。

小さく軽いものしか運べない?

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まずアマゾンが配達に用いるドローンが運べる荷物は、ある程度小さく軽いものに限られるそうです。アマゾンの公式発表によると重さは2.27kgまでとのこと。そのため2リットルのペットボトル1本を運ぶのがやっとということです。重量の軽い日用品などであれば大丈夫そうですが、大きめの電化製品や食料品は厳しそうですね。アマゾンが将来より大きなドローンを導入すれば解決されるかもしれません。

庭がないと運べない?

動画を見ると、配達用のドローンは購入者の自宅の庭に着陸して、荷物を切り離すと帰還しています。着陸の際には目印となるシートの上に降りるようです。動画を見る限りでは、ドローン配達の条件には、一定の広さの敷地と、着陸用のシートを広げる必要があるみたいです。そのため、マンションに住んでいる人にはどうやって配達するのか疑問が残ります。マンションの入り口の前のスペースで、シートを広げて到着を待つとしたらちょっと残念ですよね。ベランダまで持ってきてくれるほどの精度があれば素晴らしいのですがね。

雨や風は大丈夫?

「プライムエアー」はドローンの下にダンボール箱をぶら下げた状態で運ばれます。そのため雨が降ると箱がベチャベチャになってしまわないか心配です。とはいってもこの問題はビニール袋を被せるなどの処置をとることで解決できるかもしれまん。もっと深刻なのは雨の降っている環境下でドローンを飛ばすことができるのかとうことです。現在主流のほとんどのドローンは防水機能がついていないことに加えて、突風などにさらされると故障の原因になるそうです。飛行機のように、雨や風がひどいときは「プライムエアー」は欠航になるのかもしれませんね。

空中がドローンだらけになったら?

もしも将来「プライムエアー」が普及して、空がドローンだらけになったらどうなるでしょうか。ドローン同士の衝突事故や、それによる荷物の落下などの被害も考えられます。また、配達中のドローンを盗む「ドローン狩り」なるものが流行るかもしれません。

アマゾンのプライムエアーで得られる恩恵は?

今度は逆に「プライムエアー」のいいところを考えてみようと思います。

配達員の負担を減らせる

日本では荷物を配達する人の数が足りない人手不足が社会問題になっています。それ故に1人あたりの負担も増えて長時間労働につながっているのではとうことです。もし「アマゾンプライムエアー」が始まって利用者が増えれば、将来的に運送屋の人手不足問題も解消されるのではないでしょうか。しかし普及しすぎると今度は逆に運送屋の仕事を奪って失業者が出るという懸念もありますが。

注文してからすぐ届く

インターネットで買い物をすることのデメリットは、注文から到着まで時間がかかることです。しかし、もし「アマゾンプライムエアー」が始まって、倉庫から直接持ってきてくれるなら、配達にかかる時間を大幅に削減することができます。実際にイギリスでの実験では配達完了までにかかる時間が平均13分ほどであるそうなので、すぐに必要になる日用品なども気軽に注文することができるようになります。

未来的でかっこいい

もはやただの感想になってしまうのですが、ドローンが空を飛んで荷物を持ってきてくれるなんて未来的かっこいいですよね。まるでSF映画の世界、いやそれ以上のものです。

最後に

これからの時代は、ドローンのことに限らずに、今までは人間の手で行なっていたことが機械に取って変わられることになります。こういうドローンや自動運転には自分の仕事は関係ないからと油断をしていると、足元を救われることになりかねません。今ある花形や安定と呼ばれている職業が、ある日突然テクロノジーによって持っていかれてしまうことは十分にあり得る話なのです。アマゾンの「プライムエアー」のようなサービスは、ほんの5年前からも想像もつかないサービスでした。逆に言えば、たった5年後にも今では想像もできないようなサービスやテクノロジーが出現していることは十分にあり得ます。大切なことは、新しいものを恐れずに受け入れ、使いこなしていくことではないでしょうか。