アップルがソフトバンク基金に出資する理由とは

1月5日にアップルはソフトバンク傘下の出資会社「ビジョン・ファンド」に対して10億ドルの出資をおこなうこと計画があることを発表しました(参考: ロイター)。ビジョン・ファンドはIoT関連分野への出資を行なっているのため、その出資会社に出資することでアップルは何かしらのリターンを期待しているようです。また、ビジョン・ファンドへ出資を計画しているのはアップルだけではなく、親会社のソフトバンク、クアルコム、ホンハイ傘下のフォックスコン、オラクル会長のラリー・エリソンなどもいるそうです。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドとは


ソフトバンクグループ傘下であり子会社の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」は、2016年の10月に設立された出資会社です。本拠地をロンドンに構え、国を問わずテクノロジー分野へ出資することを目的としています(参考: ソフトバンク)。ソフトバンクはこのビジョン・ファンドに対して250億ドルを出資する予定で、さらにサウジアラビア王国の出資機関が、450億ドルを出資する可能性もあるとのことです(孫社長得意のホラ吹き?)。もしこの話が実現すれば、ビジョン・ファンドは間違いなく世界最大級の出資会社になります。これから続々と誕生する世界のベンチャー企業たちは、このビジョン・ファンドの出資を受けることになるでしょう。

アップルの目的は?


ではアップルがビジョン・ファンドへ出資する目的は何でしょうか。それはひとえに有能なベンチャー企業を発掘することではないでしょうか。ビジョン・ファンドは今後主流になるIoTデバイス関連企業への出資を積極的に行なっていきます。その際に、有能なベンチャー企業がいくつか誕生するでしょう。それらをアップルが会社ごと買い取ってしまおうという魂胆ではないでしょうか。畑に水をまかせておいて、育った作物を買い取るということです。このやり方は社内で一から作物を育てるよりも効率がいいのでしょう。グーグルやフェイスブックといったシリコンバレーのIT企業はM&Aを繰り返してどんどん巨大化しています。アップルもまた例外ではないようです。

最後に

これから2020年代においては、IoTなどの見たことのない新しいテクノロジーが続々と生まれることは間違いないでしょう。現代も十分テクノロジーが発達して素晴らしい時代のようにも見えますが、10年後に振り返ってみたらとんでもなくローテクに感じられるかもしれません。ソフトバンク自身もテクノロジー系企業への積極的な出資を行うことで、将来は今以上の超巨大企業に成長しているかもしれません。今後どんなすごいテクノロジーが登場するのか、私たちの生活はどれほど便利なものへと変わっていくのか、想像するだけでワクワクしてきますね。