現金お断り!スウェーデンのキャッシュレス社会がすごい

最近は「フィンテック」という言葉をよく耳にしますよね。Apple PayやAndroid Payなどのスマホ決済機能も充実してきましたし、三菱東京UFJも2017年後半から紙の通帳をなくす方針を固めています(参考: SankeiBiz)。このようにフィンテックの目的の一つは、スマホとインターネットを用いて現金をなくすことにあります。

ところがこと日本において現金をなくすことはとても難しいようです。皆さんも普段の買い物は現金を中心に使いますよね。このように日本の現金使用率は先進国中で最も高く、逆にクレジットカードの利用率は18%程度と先進国最低であると言われています(参考: クレジットカード天国)。もちろん日本は偽札の出回りが少なく、強盗や窃盗なども少ないというポジティブな理由から現金が多く使われているのですが、今世界の流れは現金を使わないキャッシュレス化に向かっており、日本は大幅に遅れをとっているのです。奇しくも日本の安全性が、キャッシュレス社会実現への足を引っ張っているのです。

スウェーデンがキャッシュレス社会になれた理由

北欧にはすでにキャッシュレス社会を実現した国があります。イケアなどで有名なスウェーデンでは、現金使用率が5%を下回っているのです。なぜこれほどまでにキャッシュレス化を実現できたかというと、政府と銀行の強い政策が関係しているようです。まず政府は店や交通機関などのあらゆる場所で現金の不使用を促していきました。現金を使わない店には優遇措置を与えるなどの対策をしたので、今でも「現金お断り」の看板を掲げている店が多くあります。またスウェーデンの銀行6社が集まり、「スウィッシュ」というスマホアプリを開発しました。スウィッシュを使えば相手の連絡先一つで簡単に送金ができます。これらの政策が相まって、スウェーデンはたった数年でキャッシュレス社会を実現できたのです。ヨーロッパで一番最初に紙幣を発行した国が、世界で最初に現金を廃止することに成功したわけです。

キャッシュレス社会のメリット


そもそもキャッシュレス社会の実現にはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

  • 窃盗・強盗の被害が減る
  • 衛生面でクリーン
  • 紙幣・硬貨の廃止で負担減
  • マネーロンダリングを防ぐ

ますは窃盗・強盗の被害が減るということです。スウェーデンでは、銀行強盗に入ったものの盗む現金がなかったという話があります。このようにそもそも現金を利用しないことには安全面でメリットがあります。財布が空っぽなら誰も盗もうとはしませんよね。次に衛生面でクリーンというメリットがあります。お金は不特定多数の人が触れるのでかなり汚れています。年寄りが唾をつけてお金を数えているを見たことありますよね。このようにお金は雑菌だらけなので、特に飲食店などでは利用しない方がいいのです。次に紙幣・硬貨を廃止することによって経済的負担を減らせるメリットがあります。最後はマネーロンダリングを防ぐことです。マネーロンダリングとは、何かしらの犯罪行為で得た金の出所を隠蔽して、正当な金に見せかけることです。キャッシュレス化によって、マネーロンダリングを防ぐことができます。このようにキャッシュレス社会では、現金社会よりも安全面や衛生面でのメリットが多いのです。

最後に


そもそも無理にキャッシュレス化する必要なんてないんじゃないの?と思う人もいるかもしれません。確かに日本では現金が理由の窃盗や強盗などの被害は少なく、一見すると今のままでも生活に支障がないように思えます。ところが、実際には現金主義による隠れた問題も多く潜伏しており、自営業者の脱税問題や暴力団の資金集めなど、現金であるがゆえのネガティブな不透明な金の使われ方が多くあるのです。少し前に話題になった、政治家の政務活動費の不正利用問題なんかもそうです。

また、最近増えている外国人観光客がカードが使えない店が多くて困っているという現状の問題もあります。このように現金主義にはネガティブな側面も多いのです。大切なのは新しいもののデメリットだけを見るのではなく、現状のメリット・デメリットと照らし合わせてトータルでどちらが私たちの未来にとって良いことであるかを選択することではないでしょうか。キャッシュレス社会が日本でも実現するか否かは、今後の私たちの選択次第なのです。