怒ることは悪くない?ただし向ける方向を間違えないこと。

皆さんは最近何かに対して「怒り」を感じたことはあるでしょうか。それは会社の上司に対してかもしれませんし、あるいは知人や友人、恋人や結婚相手に対してかもしれません。このような「怒り」という感情は私たちが日常的に感じるものです。理由もとてもしょうもないことから、大きな損害を被ったときなど様々です。そしてこの怒りの感情は人間のみならず、動物も生まれながらにして持っているものです。生きている上で怒ることは普通のことですし、怒りはあくまでも生存に必要な機能なのです。

こと日本においては、こうした怒りの感情は抑え込んで表に出さないことが美徳とされています。ところがこれは間違いで、人々はもっとオープンに怒るべきだと思います。とは言っても、誰かれ構わず八つ当たりをしろと言っているのではなく、怒るべき対象に対して正しく怒るということです。現代人はしばしばこの怒りの矛先を間違えているように感じます。

なぜ知らない人の投稿が炎上するのか


近年特に増えているのがネット上の「炎上」です。このようにツイッターなどが炎上するのは、たいてい実生活に関わりのない他人です。なぜ私たちは知らない人をわざわざ攻撃するのでしょうか。それは普段押さえ込まれ行き場を失った怒りたちを、発散させることのできる唯一の機会だからではないでしょうか。

炎上しているところへ乗っかって誰かを叩くという行為なら、あなたは罪に問われることはありません。ましてや自分と関わりのない赤の他人ならなおさらです。本来は違う方向へ向けられるはずだった怒りが、全く関係ないその人に対して放たれるのです。ベッキーやマギーがあなたに何かしたでしょうか。というより、会ったことすらない人がほとんどですよね。不倫をした芸能人を叩いてもあなたには何のリターンもありません。一時的にはスッキリするかもしれませんが、数日経つと元の生活に逆戻りです。そしてあなたはフラフラと次のターゲットを探し始めるのです。まるでゾンビのように。

怒りは社会問題に対してぶつけるべき


世界には解決するべき大きな問題がたくさんあります。例えば地球温暖化や途上国の貧困問題、エネルギーの持続可能性問題、食の安全問題、テロや紛争などの治安問題、健康問題、移民・難民問題などです。これらの問題に比べたら芸能人の不倫問題がどれだけくだらないことかわかりますよね。私たちが普段抱えている怒りは、本来はこれらの問題に対してぶつけるべきなのです。これからは芸能人の悪口を言うのではなく、「地球温暖化うぜぇ」、「ブラック企業まじ消えろ」という風に方向転換すれば、世の中は確実に良い方向へ進んでいきますし、私たちの暮らしも必ず良くなっていきます。

最後に


「人はなぜ怒るのか」その答えの一つは、世の中をより良くするためだと思います。怒りは人々を動かす最大の動力源になりますし、人類は歴史上「怒り」を持って世界を変えてきました。そうです、怒りとは本来はポジティブなことなのです。ところが人類はいつの間にか「怒り」の使い方を間違えるようになりました。今や怒りの矛先は自分より弱い第三者に向けられています。会社では部下を叱り飛ばして怒りをぶつけたり、近所では互いに陰口を言い合うことで怒りをぶつけます。ネット上では不倫をした芸能人などの適当に叩ける相手を見つけて徹底的に痛みつけます。そして毎日毎日決して解消されることのない不満や怒りを抱えたまま私たちは生きているのです。もし病気の進行を止めたければ、その病原体を取り除くしかありません。私たちが本当に怒りをぶつけるべき先はどこなのか、もう一度考え直してみましょう。あなたならきっと気づけるはずです。