「コード・カッティング」でディズニーの業績が苦しくなる理由

皆さんディズニーは好きですか?私はベイマックスが好きです。ディズニーといえばその名を知らない人はいないほど、世界的に有名な会社ですよね。

そんなディズニーはどうやって売上を上げているか知っていますか?実はディズニーの経営の柱となる事業は、映画事業でも、テーマパークでも、グッズ販売でもなく、「メディアネットワーク事業 (Media Networks)」なのです。その割合はなんとディズニーの売上全体の6割近くにも及びます(参考: The Walt Disney Company)。

この「メディアネットワーク事業」とは具体的に何であるかというと、「abc」というアメリカの民放テレビ局のことです。ディズニーは1996年にabcを買収して以来、abcテレビ放送の広告枠とその傘下の「ESPN」という有料放送(ケーブルテレビ)の収益で儲けています。

意外ですよね、私たち日本人が知っているディズニーは「映画」と「ディズニーランド」だけなので、まさか広告とスポーツチャンネルで儲けているとは思いもよらなかったと思います。そんなディズニーの業績に今変化が起きているようです。

コード・カッティングが進んでいる?


皆さんは「コード・カッティング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

このコードカッティングとは、有料放送のケーブルテレビを解約することの俗称です(ケーブルのコードを切ることに由来)。ケーブルテレビは、アメリカでは1990年代からインターネットの登場とともに爆発的に普及し、ピーク時には全アメリカ人の58.4%が加入していたそうです(参考: Wikipedia)。

ところが、日本でも最近流行りのネットフリックスやアマゾンプライムビデオのような、定額見放題のストリーミング動画配信サービスがアメリカで大流行になり、2010年頃からケーブルテレビの解約が始まったようです。

コードカッティングでディズニーはダメージを受ける?


ディズニーの持つabc傘下のESPN(スポーツチャンネル)もコードカッティングの例外ではないようです。なんと2016年には、たったの4ヶ月で150万人の契約者を失ったとのこと(参考: NewslnBiz)。

それでもESPNは8,900万人以上の契約者を保有しているので、今すぐオワコンということはなく、少なくともあと19年は持ちこたえられます。もちろんこの解約のペースにこれ以上の拍車がかからなければの話ですが。

もちろんESPNの解約者が増えれば、少しずつディズニーの売上はダメージを受けます。今はまだ微々たるものかもしれませんが、解約者の規模が数千万人レベルになってくると、深刻な問題になるのかもしれません。

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最後に

今回は『コード・カッティングによって、ディズニーの売上にダメージが与えられるかもしれない』についてご紹介しました。

実はディズニーのもう一つの稼ぎ頭である「広告事業」も先行きが危ないのかもしれないのです。「テレビCM枠の値段」というのは、なぜかアメリカも日本も年々上がり続けています。特にスーパーボウルの広告枠単価は異常なまでに高騰しています(参考: statista)。

このテレビ放送における広告枠というのが、果たしてこのまま上がり続けるのか、ある時を境に暴落するのかは誰にも分かりません。ただ一つ言えることは、テレビ放送の視聴率は年々下がり続けているということです

見る人が減っているのに、広告費が上がり続けるなんて不思議だと思いませんか?ディズニーはメディアネットワークに変わる別の主力事業を、早く見つけた方がいいのかもしれませんね。毎年新作映画が作れるのは今が時期が最後だった、なんてことになりかねません。