Android8.0で「LDAC」に対応!ワイヤレスハイレゾは普及する?

グーグルは「Android Nougat (7.0)」の次世代バージョンとなる「Android O (8.0)」を発表しました(参考: CNET Japan)。この次期バージョンには通知機能や消費電力の改善などの機能が追加される予定ですが、中でもソニーの開発した「LDAC」という規格が新たに標準採用されることで話題を呼んでいます(参考: Engadget 日本版)。

LDACとは?


「LDAC」とは、ソニーが開発した音楽の規格です。最近流行りのBluetooth経由でのワイヤレス環境におけるハイレゾ再生を実現するために作られたようです。LDACはBluetoothの音声コーデックにおいて、現在の主流である「A2DP」の3倍の情報量を実現するそうです(参考: Sony)。ちなみにLDACによるハイレゾの再生環境を整えるためには、プレイヤー(ウォークマンやスマホ)と、再生機(ヘッドホンやスピーカー)の両方がLDACに対応している必要があります。

ハイレゾに対応したサービス


このLDACを活用するためには、もちろんハイレゾに対応した楽曲を入手する必要があります。まずは主要なハイレゾ配信サービスを確認しましょう。

  • e-onkyo music
  • mora
  • OTOTOY
  • HQM Store
  • レコチョク

日本で主流のハイレゾ配信サービスは主に上記の5つです。いずれもストリーミングには対応しておらず、ダウンロードによる曲・アルバム単位の買切り購入になっています。

一般ユーザーはハイレゾよりストリーミング?


世界の音楽ストリーミングの有料会員数を見ると、スポティファイが5,000万人(参考: CNET Japan)、Apple Music2,000万人(参考: iPhone Mania)という現状です。このように音楽ストリーミングの会員数は年々増加していて、まさに世のトレンドは「ストリーミング」に向かっているようです。もちろんハイレゾを支持するオーディオマニアの方も一定数いますが、一般ユーザーは高音質なハイレゾよりも、気軽に利用できるストリーミングに関心が高いようです。

ワイヤレスハイレゾは普及するのか


では次期Androidに「LDAC」が採用されることで、ワイヤレスハイレゾは普及するのでしょうか。その答えはやはりスポティファイやApple Musicなどの人気ストリーミングサービスがハイレゾを採用するか否かにかかっていると思います。現状ハイレゾを利用するためには、1世代前の「ダウンロード」というサービスモデルに戻らないといけません。

そしてもちろんハイレゾをストリーミングするとなるとパケットの消費量が激しいので、4Gが主流の今は導入してもあまり流行らないでしょう。しかし、5Gが始まって速度や制限に余裕ができれば、ハイレゾストリーミングの開始は十分にあり得る話です。その頃には「Android O (8.0)」を搭載した端末も十分に普及しているでしょう。

最後に


ワイヤレスハイレゾの普及はすぐにというのは難しいかもしれません。まずは音楽ストリーミングサービスを十分に普及させて、その後にストリーミングでハイレゾ対応するのが一番の近道ではないでしょうか。普段聞いているストリーミングの楽曲が、対応イヤホンやヘッドホンを用意するだけでハイレゾになるなら魅力的ですし、移行もスムーズに行えます。おそらく今後発売される「Android O」を搭載したあらゆる端末は「LDAC」に対応することになりますし、それに合わせて対応ヘッドホンやスピーカーも増えるでしょう。これまではソニーの独自規格だったものが、Androidを通して世界のユーザーに広がるのかもしれませんね。