アマゾンのプライムエアーが米で初試験!ドローン配達実現に近づく?

最近はヤマト運輸の配送料値上げと配達時間見直しが行われるなど、運送業における人手不足が社会問題になっています(参考: 朝日新聞)。そんな問題を解決するために期待されているのが、人の手を必要としない「無人配達」の技術です。その無人配達の一つであるドローンを使った配達「プライムエアー」を、以前からアマゾンが試験していました。そして今回アメリカでの初試験に成功したようです。

プライムエアーとは?


プライムエアー(Prime Air)とは、アマゾンが試験中のドローン配達サービスです。ドローンによる荷物の発送から配達、帰還までを全て自動で行うことを目指しています。2013年に初めて発表され、今も開始に向けた試験が続いてるところです。2016年には世界で初となる実験がイギリスのケンブリッジにある農村部で行われれました(参考: TechCrunch Japan)。

プライムエアーが米でも初試験


そんなプライムエアーが、遂にアメリカでも試験配達に成功したようです(参考: recode)。3月20日に開催されたMARS 2017にて、プライムエアーの自動運転ドローンが日焼け止めボトルを届けたようです。場所はカリフォルニア州パームスプリングスで、ドローンが飛行したのはパームスプリングス空港の制御空域だったようです。アメリカではドローンによる飛行は政府による厳しい規制が敷かれているため、なかなか実験の開始にはなかなか至らなかったようです。

ドローン配達は実現可能なのか


今回の実績を見ると、「ドローンの自律飛行」という技術はすでに出来上がっているものの、飛行そのものの許可を得ることが非常に難しいようです。プライムエアーが政府の規制を解いて一般家庭まで飛行するためには、まだ数年かかるという話もあるようです。また、これまでのイギリスやアメリカの実験では、比較的建物の少ない地域で行われていました。そのため、都市部の人口や建物の密集した地域では電線に絡まるなどの新たなトラブルが想定されます。まずは積極的に飛行許可を得て、色んな地域での飛行実験を増やす必要がありそうです。

最後に

このように夢のドローン配達の実現まではまだ時間がかかるようです。ですが、一度サービスが始まってしまえば後は一気に普及するのではないかと予想します。ほんの10年後には、「昔は人が手作業で荷物を配ってたんだよ」と懐かしむようになっているかもしれません。もちろんドローン配達のような新しいことを始めると、これまでになかった新たなトラブルも生まれるでしょう。そういう理由から新しいものを受け入れるのが怖いという人もいるかもしれませんが、このまま旧態依然としていると、やがて日本の物流は崩壊します。オンラインショッピングの市場規模は年々増加しており(参考: 総務省)、日本ではすでに運送業がパンクしている現状なのです。配達時間を減らすのは一時的なしのぎに過ぎません。この問題を根本的に解決するためには、全く新しい物流のあり方が必要なのです。