スマホがPCになる 「Samsung DeX」がすごすぎ！もうパソコンいらない!?
サムスンはスマホをPCにできる「Samsung DeX (サムスンデックス)」を新たに発表しました(参考: CNET Japan)。
サムスンデックスは対応するスマホ(現在のところGalaxy S8、S8+のみ)を専用ドックに装着することで、ディスプレイ上でPCのようにマウスとキーボードを用いた操作を可能にするものです。
もちろんスマホの画面がそのまま表示されるわけではなく、PCのような専用のUIが用意されている点が特徴です。
Samsung DeXの使い方はとても簡単
「Samsung DeX (サムスンデックス)」の使い方はとても簡単です。
対応するスマホ(S8かS8+)を専用ドックに差し込むだけで、HDMIで接続されたディスプレイに最適化されたUIが表示されます。UIのデザインはWindowsと似たものになっていて、デスクトップ上にアイコンを置いたり、複数のウィンドウを並べて表示することができるようです
。そしてもちろん、USBやBluetooth接続によるマウスとキーボード接続にも対応しているので、PCライクな操作が可能なのです。サムスンデックスのポートには、電源用のUSB-Cが1つと、USB-A(2.0)が2つ、そして有線LAN(イーサネット)を備えています。
すでにマイクロソフトオフィスとアドビのモバイル向けアプリが公式に対応しているそうです。
Androidだから実現できた？
今回のサムスンデックスのようなシステムは、オープンソースで自由度の高いAndroidだからこそ実現できたものではないでしょうか。
Androidはデバイスの画面サイズが多様化されているので、もともとレスポンシブな設計になっています。そのためUIやウィンドウサイズの変更にも対応しやすかったわけです。一方でiOSは4インチ、4.7インチ、5.5インチ、9.7インチ、12.9インチと初めからサイズが決まっているために、基本的にその決められたサイズ向けにしかデザインされていません。
そのため、もしもアップルがiPhoneをPCにできるサムスンデックスのようなものを発売しても、おそらくデベロッパーはアプリを一から対応させなければならなくなります。
スマホのオーバースペックを有効活用できる
最近のスマートフォンは、その5インチ程度のディスプレイに載せるにはもったいないほど高性能化していました。今や誰もがスーパーコンピューターをポケットに入れて持ち歩く時代になったのですが、その性能を使いきれていなかったのです。そのためサムスンデックスのように、「スマホを拡張させてPCにする」というアイデアは大いにアリだと思います。
今やそこらのPCよりも高性能となったスマホに、大型ディスプレイとマウスとキーボードが与えられればもはや怖いものはないでしょう。これまでのスマホ単体では実現できなかった、より画期的な使い方が可能になるかもしれませんね。
デスクトップPCはもういらない？
ここ数年は「PC離れ」が世界中で問題になっていますが、サムスンデックスのようなシステムはこのPC離れをより加速させることになるのかもしれません。今後発売されるあらゆるスマホがこのシステムを標準採用することになれば、デスクトップPCはもはやお払い箱になる可能性があるのです。
教育機関や職場の共用PCもサムスンデックスのようなシステムに切り替えれば、ディスプレイとドックを用意するだけでいいので導入コストを大幅に削減できます。そうやってPCを利用したいときは、私物のものか支給されたスマホをドックに差し込むだけでよくなるのです。
アップルはどう対抗する？
ここで気になるのが今後のアップルの対応です。もしもサムスンデックスに対抗するために、ドックに差し込むことでマウスやデスクトップ表示に対応するPCライクなiPhoneを販売するとなるとどうなるでしょうか。
アップルはすでにiPadをPCライクにしたiPad Proも出しているので、製品ラインナップがより複雑化してユーザーの混乱を招くことににもなるかねません。「ドックPC版iPhone」と「iPad Pro」と「MacBook」は一体何がどう違っていてどれを買えばいいのかということになるのです。これはアップルの強みである「製品ラインナップのシンプルさ」に大きく反することになります。
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最後に
スマートフォンというものが本格的に普及し始めたのは、iPhone4が登場した2010年頃でした。
その頃の時代に、たったの7年後に「スマホがPCの代わりになる」と誰が予想できたでしょうか。おそらくそんな人はほとんどいなかったと思います。
逆に言えば、これから先も今からでは全く想像もできないモノやサービスが世の中を大きく変えていくことになるのかもしれません。大切なのは常に時代の変化を受け入れて、それに適応していくことではないでしょうか。
ウェブサイト: Samsung DeX