「A.I.」がネットフリックスに登場!今の時代こそ見よう

「AI (人工知能)」という言葉を最近は耳にすることが多くなりました。これはようやく時代が追いついて、グーグルなどがAIを商業レベルで使えるようになってきたことを意味しています。この「AI」というワードを世界に認知させるきっかけになったのは、ある1本の映画だったと思います。それは2001年に公開されたスピルバーグ監督の「A.I.」という作品です。そんな「A.I.」がネットフリックスで配信開始されたのでご紹介します。

A.I.とは


A.I. (Artificial Intelligence)は2001年に公開されたアメリカ映画です。元々はブライアンオールディスの小説「スーパートイズ」を原作に、スタンリー・キューブリック監督が映画化を進めていた作品です。キューブリックの死後はスティーブン・スピルバーグ監督が後を継ぎ、完成まで漕ぎ着けました。そのため、キューブリックファンの間ではしばしば不評が多い作品になっています。おそらくキューブリック監督が作っていれば、より芸術的で難解な作品になっていたことは間違いありませんが、スピルバーグ監督が作らなければ日の目を見ることがなかったのもまた事実です。スピルバーグ監督もキューブリック監督が残したシナリオや構想を最大限生かして制作したので、これがベストな「A.I.」であると思って見ていいのではないでしょうか。

あらすじ


舞台は近未来。地球温暖化が進み、あらゆる街が海に沈み始めたこの時代では高度に発展したAIたちが人類の生活を支えていた。AI研究の第一人者であるホビー教授は、人類の究極の課題である「愛」を理解し要求するロボット「デイビッド」を遂に完成させた。デイビッドは愛くるしい子どもの見た目をしており、それまでの機械じかけのロボットとは一線を画していたのだ。デイビッドは実験的にある夫婦の元へと送られ、新たに家族として迎えられる。ところが、子どもの「姿」をしたAIは本当の子どもとして受け入れられることは難しかったようだ。母親のモニカはデイビッドを山に遺棄し、そこからデイビッドの壮絶なる冒険が始まるのだった…。

最後はロボットが生き残る?


この映画の解釈の仕方は様々あると思うのですが、一貫したテーマとしては、「最後はロボットが生き残る」というものが共通してあると思います。実際に劇中のジゴロ・ジョーの台詞には以下のようなものがあります。

「彼ら(人間)は利口なメカを造りすぎた」「その間違いがツケを呼んでいる」「生き残るのはメカだけ!」「だから憎まれる」 

といったものです。現代の企業はAIやロボットの開発にとても力を入れていますが、やがてそれらが私たちの手に負えないほど高度に進化し過ぎる時がやってくるのでしょうか。テスラのイーロン・マスクCEOも、「人類はAIに勝てない」ということを繰り返し言っています。この映画の原作である「スーパートイズ」が書かれたのは1969年です。この時代に描かれていたSFの世界が、遂に現実になる時が近づいてきたのでしょうか。

最後に


映画の「A.I.」のような高度なロボットたちが登場するのはまだ先の話のようです。現代のAIのようなものは、アレクサのようなプログラムされたスキルを実行するだけのものや、グーグルクラウドのような画像や音声を解析する程度の能力しかありません。ところが、10年後、20年後にはAIがどこまで進歩しているのかは全く想像もつきません。よく言われる「チェス盤の法則」のように、テクノロジーの進化スピードは指数関数的に増加しています。この法則のように、ある時を境にAIの進歩スピードは私たちの手に負えなくなるのでしょうか。そんな想像を、この映画を見ながら考えてみてはいかがでしょうか。

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