アップル、自動運転試験の許可を取得。ソフトウェアに集中か

数年前から噂されていたアップルの「自動車事業」ですが、遂に動きが動きが見られたようです。カリフォルニア州車両管理局はウェブサイトに新たにアップルの自動運転テスト車両の情報を掲載しました。これによって、これまで秘密にされてきたアップルの自動運転技術の開発が初めて公に公開されることにもなります。

自動運転テストの許可を取得

アップルは自社初となる自動運転テストの許可をカリフォルニア州において取得しました(参考: engadget)。テストを許可された車両はレクサスのSUV3台とのことで、他社の自動運転テストと同様に車両にオペレーターを数人乗せることが条件です。アップルは自動運転テストにおいて、すでに先行するウェイモ(グーグル)やテスラの後を追う形になります。アップルの自動車開発は”公然の秘密”として数年前から噂になっていましたが、ようやく本腰を入れて取り組み始めるようです。

自動車は作らない?

アップルは自動車を自社開発する方向からはすでに撤退しているとう報道があります(参考: 日本経済新聞)。ハードウェアの製造を諦めて自動運転のソフトウェア開発に注力し、その技術を他社にライセンスする方針でしょうか。そうなると、アップルがこれまで貫いて来た「ハードウェアとソフトウェアを一体開発する」という主義をやめることになります。そしてもしも既存の自動車メーカーと提携する道を選ぶならば、ウェイモ(グーグル)のやり方と全く同じになります。このようにソフトウェアの「提供」というかたちを取る以上は、両者が共存することは難しく、シェア争いに敗れたどちらかが撤退することになりかねません。これまでソフトウェアの他社提供経験が少ないアップルにとっては、苦しい選択になるかもしれません。

最後に

自動運転技術の実現はずっと先のことに思われていましたが、ここ2〜3年の勢いを見ると、2020年までに実現してしまいそうです。テスラはすでに準備が完了しており、おそらく法整備が整い次第ソフトウェアアップデートで完全自動運転に対応させるつもりでしょう。とりわけアメリカは対応スピードが早い国なので、早ければ2018年にも法的な許可が実現するかもしれません。もちろん自動運転における事故の責任問題などが、これから議論されていくことになります。今は歴史的な変動の時期なのかもしれませんね。