ネットフリックスの「マッチ度」とは?5つ星評価を廃止した背景

動画ストリーミングサービスを手がける「ネットフリックス」は、2017年4月より新たにネットフリックス内の作品の評価方法を変更しました(参考: Netflixの作品評価、星5段階から親指アップ/ダウンに変更。作品マッチング機能も追加!)。

これまではアマゾンのような5つ星評価で、ユーザーが1〜5段階の星を選んでつけていましたが、これからはYouTubeのようなサムズアップ・サムズダウンの2段階に切り替わります。

この仕様変更の理由について、ネットフリックスはユーザーエクスペリエンスをより向上させるためと述べています。

よりユーザーにマッチした評価方法に?


従来の作品に対する5つ星評価というのは、いわばその作品の客観的人気度を表すものでした。

例えば「ハウス・オブ・カード」などの人気作品には平均して星が5個ついていましたが、あなたが政治ものに興味がなければ星1つの評価をつけたかもしれません。このように、従来の方式ではあなたにマッチした作品を見つけ出すためのベストな方法ではなかったのです。

そこで新しくサムズアップ・サムズダウンの評価方法を採用し、まるでデーティングアプリのようにあなたの好みの作品と、そうでない作品に仕分けするように変更しました。

これによってその作品の人気度ではなく、あなたが気にいるかどうかをより重視して作品を表示するようになったというわけです。

ユーザーによって作品のマッチ度が異なる?


例えば上の画像の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、私のアカウントではマッチ度79%と表示されています。

このマッチ度が、他の人にはより高く表示されたり、逆に低く表示されるようになるということのようです。ちなみに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」自体はとてつもなく人気の高い作品なので、従来の方式では間違いなく星5個が表示されていたはずです。

このようにこれからのネットフリックスでは作品の人気度ではなく、あなたにマッチするかどうかがより優先されるようです。

新たな作品と出会うチャンス?


今回ネットフリックスがこのような評価方式に変更したのは、より多くの作品をユーザーに見てもらうためではないでしょうか。

例えば、従来であれば一見するとあなたが興味を示しそうな作品であっても、星の数が2つや3つならば視聴せずにスルーしていたと思います。

このように一部のユーザーから支持を集めている作品であっても、総合評価が低いという理由で視聴されずにスルーされていた作品も多かったはずです

ネットフリックスではそういう作品たちにスポットライトを当てるためにも、5つ星評価を廃止して、サムズアップ・ダウン方式に変更したのではないでしょうか。

つまり、これまでは見落としてしまっていた新たな作品と出会えるチャンスが増えるかもしれないのです。

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最後に

インターネットが発達した現代では、作品の客観的評価というのは検索すれば「IMDb」や「ヤフー映画」などで簡単に見ることができます。

そんな時代だからこそ、ネットフリックスでは人気の高い作品をサジェストすることよりも、「こんな作品があったんだ」という偶然の出会いを発生させることを目指しているのかもしれませんね。

昔はツタヤにふらっと立ち寄って思わぬ良作を見つけたりしていましたが、現代においては、「何気なくネットフリックスを見ていたら面白そうな作品を見つけた」という体験ができるようになっていくのかもしれませんね。

ネットフリックスの今後の「マッチ度」の進歩に期待しましょう。