完全無人のフードデリバリーがサンフランシスコに登場!

人の手を使わない「無人配達」といえば、アマゾンの「プライムエアー」のようなドローンを使ったものが注目を集めています。ところが、無人配達を一足先に実現するのは空ではなく地上を走るロボットかもかもしれません。ロボットメーカーの「Marble」は、「Yelp Eat24」と提携して無人のフードデリバリーサービスのテストをサンフランシスコで開始しました(参考: IT Pro)。このデリバリーには、地上を走る完全無人ロボットが使われている点が特徴です。

Marbleとは

「Marble」はサンフランシスコに拠点を置くロボット開発を手がけるベンチャー企業です。今回は自社開発の無人配達マシーンを使って、「Yelp Eat24」のフードデリバリーサービスとコラボしています。Marbleの配達で届いた荷物は、ユーザーに送られた4桁のPINコードを入力することで受け取れるようです。Marbleは将来的にはより多くのサービスを無人ロボットで提供したいと考えているようです。実際にCEOであるマット・デラネイ(Matt Delaney)氏は、

「食べ物から始まっているが、食料雑貨から薬局や宅配に至るまで、ロボットはすべて役に立つものだと考えている」

と述べています(参考: TechCrunch)。Marbleの今後の展開が非常に楽しみですね。

Yelp Eat24とは


「Yelp Eat24」とは、レビューサイト大手の「Yelp」が「Eat24」というフードデリバリーサービスを2015年に買収したことで生まれたサービスです。Yelp Eat24は、中華やピザ、タイ料理、寿司、インド料理などをスマホからの注文受付でデリバリーしています(参考: Yelp Eat24)。今回の提携によって、Yelp Eat24を利用するユーザーは試験的に注文の際にMarbleのロボットに配達させることを選択できるようになっているそうです。

無人配達は定着するのか

「無人のデリバリー」と聞くとなんとも未来チックなものを連想しがちですが、現状はまだまだ課題が多そうです。実際に「Marble」のマシーンが配達を行っている動画を見る限りでは、業務用の掃除機のような大きなボディと、スローな移動速度で街を巡回しています。おそらくこのスピードでは配達できるのはエリアは店からある程度近いところに限定されますし、街の中にこのような無人のロボットが走っていると盗難の被害にあうことも想定されます(自動販売機が盗まれる国なので)。何より人通りの多いエリアでは通行の邪魔になりますし、万が一人にぶつかったりはねると危険です(センサーを搭載しているので可能性は低いかもしれませんが)。とはいっても、ドローンによる空中の配達よりも、地上を走るMarbleのようなマシーンの方が無人配達の実現は早いのかもしれません。まずは配達エリアを限定したり、混雑具合に応じてマシーンの移動速度も早くできれば、より普及が進むのかもしれません。

最後に


配達員の人手不足は現代の日本において社会問題になっています。労働人口の減少と、オンラインショップの利用増加具合を見ると、この問題は今後より深刻になりそうです。そのため、このような無人で配達できるロボットが問題を解決するきっかけになると期待がかかっています。近い将来はヤマトのトラックの代わりに、デリバリーロボットが街中を走り回っている光景を目にするようになるのでしょうか。その未来を実現するためには超えるべき課題も多そうです。