日本だけiPhoneのシェアが高い3つの理由

日本人はiPhoneが大好きです。実際に電車や街で使われているスマホを見ると、ほとんどがiPhoneではないでしょうか。世界のiPhone利用率を見ると、ヨーロッパでは約2割、アメリカでは約4割、そしてそれらを上回って日本でのiPhoneシェアは約5割です(参考: iPhone Mania)。このように日本には「iPhone至上主義」とも呼べる風潮が出来上がっています。中にはiPhone信者たちから迫害を受けて、肩身の狭い思いをしたアンドロイドユーザーの方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、「日本だけiPhoneのシェアが高い3つの理由」をご紹介します。

日本だけiPhoneのシェアが高い3つの理由

日本だけiPhoneのシェアが高い理由1. ソフトバンクの0円政策


1つ目の日本だけiPhoneのシェアが高い理由は「ソフトバンクの0円政策」にあります。2008年にiPhone3Gが日本に上陸した時、ソフトバンクの孫正義さんはいち早く目をつけ、ソフトバンクでのiPhoneの独占販売を開始しました。ガラケーからの機種変を促進するために、「2年使うと本体価格が実質無料」という大胆なキャンペーンを展開しました。キャンペーンの効果もあってか、iPhoneはじわじわと人気を獲得し始めます。2011年にはauもiPhone4Sで販売に参入し、ソフトバンクと似たようなキャンペーンを始めます。こうしてソフトバンクとauの「どちらのiPhoneを選ぶか」という激しいキャンペーン競争が始まり、メディアでも大々的にプッシュされました。そのため、日本では「スマホ=iPhone」というイメージが定着し、アンドロイドは蚊帳の外に追いやられていきます。当時はネットニュースを見ても、テレビをつけても最新のiPhoneの話題ばかり取り上げられていたのです(今もですが)。このようにソフトバンクが始めた政策をきっかけに、日本では空前のiPhoneブームが巻き起こりました。

日本だけiPhoneのシェアが高い理由2. 初期の国産アンドロイド端末が杜撰だった


2つ目の日本だけiPhoneのシェアが高い理由は「初期の国産アンドロイド端末が杜撰だった」ことです。2010年頃になると、日本にもスマホブームの波が押し寄せ日本メーカー各社スマホの販売に乗り出しました。ソニーのXperia(SO-01)、東芝のREGZA Phone(T-01C)、シャープのLYNX 3DやIS03などです。しかしながら、当時のアンドロイド端末は非常にモッサリとした動作と、カクカクした不安定な操作性でした。対抗するiPhone4のヌルヌル、サクサクには到底及ばないものだったのです。これは国産メーカーがガラケーの生産に力を入れていたために、スマホの研究開発に乗り遅れてしまったことが原因と思われます(ぶっちゃけスマホが流行るなんて思ってなかった)。そのため初めてピッチャーマウンドに立つ日本メーカーが、すでにフルスイングをかましていたiPhoneに勝てるはずがなかったのです。

かくして「アンドロイドはダメ、スマホにするならiPhone」という風潮(同調圧力?)が生まれました。初期のアンドロイド端末を買ってしまったユーザーも、友人や知人のヌルヌル・サクサクのiPhoneを見て激しい劣等感とがっかり感を覚えました。そして「次は絶対iPhoneにする」と決意した人も多かったはずです。このようにして日本人の心にはiPhone志向が根付いていったのです。

日本だけiPhoneのシェアが高い理由3. ケースの数が圧倒的に多い


3つ目の日本だけiPhoneのシェアが高い理由は「ケースの数が圧倒的に多い」ことです。iPhoneは早い段階からケースビジネスに火がつきました。その理由はiPhoneの画面が割れやすかったからです。特にiPhone4、4Sは前面・背面ともに美しいガラス張りでしたが、うっかり落とそうものなら前も後ろもバッキバキになってしまいました。そのため、iPhoneが売れるほどに便乗してケースも売れまくったのです。2011年頃にはすでに大量のiPhoneケースがヨドバシカメラに並びました。そして今では、「スマホのケースで個性を出す」のが女子のオシャレとなり、ケースの少ないアンドロイド端末は女子の購入対象から外されるようになったのです。

最後に

今回は、「日本だけiPhoneのシェアが高い3つの理由」についてご紹介しました。このように、日本では様々な要因が重なって今のiPhone大国が出来上がっていったようです。もちろん今のアンドロイド端末は黎明期のような杜撰なものは少なく、メーカーによってはiPhoneよりも優っているものもあります。しかしながら、一度ついたイメージはなかなか払拭するのが難しく、「アンドロイドってモッサリなんでしょ?」、「アンドロイドってダサくね?」と思っている人も多いようです。また、逆にiPhoneユーザーのなかには、「なんとなくiPhoneが良いから」、「みんな使っているから」という漠然とした理由で選んでいるユーザーも多いのではないでしょうか。最近はファーウェイやオッポなどの中国メーカーの安くて優秀なアンドロイド端末も増えています。今後iPhoneの買い替えサイクルに疲れたユーザー達が少しずつアンドロイドへ引っ越していくこともあり得る話なのかもしれません。