アップルがFitbitを買収した方が良い3つの理由

グーグルマップやアマゾンのアプリがApple Watchのサポートを終了したことが話題になっています(参考: Gigazine)。これはApple Watchのアプリ利用者が少ないことが原因です。こういう背景があるように、アップル自身も自社のウェアラブル事業をどういう方向に進めたいのかはっきりしていないように見えます。そこで今回は、同じくウェアラブル端末の販売を行う「Fitbit (フィットビット)」をアップルが買収することを3つの理由とともに提案します。これによってアップルのウェアラブル事業の今後も開けてくるのではないでしょうか。

理由① ヘルスケア部門の強化


フィットビットを買収することで、これまでユーザーから集めてきた膨大な数のフィットネトラッキングのデータを得ることができます。また、自動睡眠記録や食品レポートなどの健康に関するデータもアップルが吸収することができるので、よりヘルスケア部門の研究に役立つのではないでしょうか。これまであまり活用されてこなかったiOSの「ヘルスケア」のアプリも、Fitbitアプリと統合しノウハウを得ることでより進化できるはずです。このようにフィットビットの買収によって、アップルがいまいち苦戦しているヘルスケア部門を強化することが可能なはずです。

理由② シェアと人気を得られる

現在フィットビットはウェアラブルデバイス市場の22%のシェアを持っています(参考: IoT/AI Career)。もしアップルが買収すれば、Apple Watchと合算しておよそ3割以上の市場シェアを得ることができます。そうなれば競合他社に対して差をつけることができ、より有利に販売を進めることができます。また、買収によってフィットビットを好むエクササイズ好きのユーザー層をアップルに引き込むことができるので、「フィットネス系といえばアップルが強い」という風に新たなブランドイメージをアップルが得ることもできます。

理由③ 製品ラインナップの強化


フィットビットを買収することで、フィットビットの人気デバイスをアップル製品のラインナップに加えることが可能になります。もちろんそれらはアップルの主力商品ではなく、ビーツのヘッドホンやAirPodsのようにアクセサリとしての販売になるでしょう。これを機にApple Watchもアクセサリに格下げして、Fitbitと合わせて「ヘルスケア」として売り出す方がすっきりするかもしれません。これはちょうどiPodやビーツ製品が「ミュージック」としてまとめられているのと同じ具合です。

最後に

アップルの買収といえば、2014年のBeats(ビーツ)が記憶に新しいです。ビーツの買収によってアップルは音楽のファン層を拡大し、Beats Musicの機能をApple Musicに取り込むことができました。ビーツのファンがアップルを好きになり、アップルのファンもまたビーツを好きになるという好循環も生まれました。

これと同様に、アップルがフィットビットを買収することで、フィットビットとアップルの間に良い関係が生まれる可能性があります。フィットビットは研究開発のための資金と技術が得られますし、アップルはウェアラブル事業を拡大させるチャンスになるはずです。

とどのつまり、ウェアラブル端末が得意とするのは「フィットネス系」と「通知」と「電子マネー」くらいです。逆に言えばこれら以外の地図アプリなどは無理に搭載する必要はなかったのかもしれません。アップルがフィットネス分野を強化するためには、フィットビットの買収は悪いアイデアではないのではないでしょうか。