「EV (電気自動車)」が環境に優しいのは間違い?負荷や問題とは

最近は「テスラ」や「ルシード・モーターズ」などのEV(電気自動車)メーカーたちが脚光を浴びています。

EVは加速性能や快適な走行はもちろん、何と言ってもガソリンを一切使わないので、環境にとても優しいということで今注目されているのです。かくいう私もEV推奨派です。

ところがどっこい、「SALON」に掲載されたのは、「Sorry, Tesla owners, but your electric car isn’t as green as you think it is(ごめんなさい、テスラオーナーの皆様。あなたの電気自動車は、あなたが思っているほどグリーン(環境に優しい)ではありません。)」という記事です(参考: SALON)。

これは一体どういうことなのでしょうか。EVが環境に優しいというのは間違いなのでしょうか。その内容を見ていきましょう。

EVはガソリン車よりも環境に優しくない?


結論から言うと、完全な電気自動車は、ほとんどのハイブリッド車よりも環境に悪いそうです。

その理由は、EVの製造時と走行時に発生する「CO2の排出量の多さ」にあります。まずガソリンやEVに関わらず、自動車の製造時には大量のCO2が排出されます。原材料の抽出や部品・車両の輸送など、貨物船に車を載せて海を渡るだけでも大量のCO2を排出するのです。

自動車製造時のCO2排出量は車両の重量に比例するそうで、例えば中型のセダン1台で約17tのCO2(英国家庭の電気・ガス3年分とほぼ同じ)が排出されます。大型のSUVであればセダンの約2倍、コンパクトカーであれば約6tとのことです。

そしてやっかいなことに、EVを生産するためには、同じ重量のガソリン車を生産するよりも15%多いCO2を排出するそうです。その原因は「バッテリーパック」にあるとのことです。さらに電気自動車は、走行時にハイブリッド車以上のCO2を排出することになります

もちろんEVそのものは排気量ゼロですが、動力源の「電気」を発電所で生成するために石油を消費するためです。そのため、EVの全ての動力源を風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーでまかなわない限り、EVは走れば走るほど地球環境を汚すことになるのです。

最も地球環境に優しいことは?

一番地球環境に優しいことが何であるかを考えると、新車を買わずに、今使っているハイブリッド車をなるべく長く使うことが大切なようです

どうしても新車を買う必要がある時は、コンパクトタイプのハイブリッド車やEVを購入して、なるべく長く乗りましょう。

EVを利用する際は、給電はなるべく再生可能エネルギーでまかなうことが大切です。お金に余裕のある人であれば、自宅にソーラールーフ(太陽光パネル)とパワーウォール(蓄電池)を設置してなるべく太陽光発電によるクリーンな電気を使うことが理想になります。

もっとも、究極的に言えば車を持たない、車に乗らないがベストですが。

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最後に

これからの時代は、ガソリン車やハイブリッド車に変わって「EV(電気自動車)」が主流になっていく可能性があります。

しかしながら、EVが売れれば売れるほどに、総合的なCO2排出量も増えていくことになります。EVに乗る人の全ての家庭にソーラーパネルを設置することは簡単なことではないので、EVの普及とともに電気の使用量が増えて、石油の消費量も増えることになります。究極のエコカーであるはずのEVが、環境を汚染していくという残念なことになりかねないのです。

これから先の時代に、新しい画期的な再生可能エネルギーが発明されない限り、私たち人類はEVと環境問題に関する問題に対応しなければならなくなりそうです。