なぜ「Surface (サーフェス)」はUSB-Cを採用しないのか

間も無く発表されると噂されているマイクロソフトの新しい「Surface Pro (サーフェス・プロ)」ですが、その事前にリークされた画像が波紋を呼んでいるようです。なんと新しいサーフェスには、採用が期待されていた「USB-C」ポートが見当たらないのです(参考: The Verge)。もしもこのリーク情報が事実であれば、マイクロソフトは今後も断固して「USB-C」を採用しない姿勢を貫くことになります。※追記: 5/26に正式に「New SurfacePro」が発表されました。

USB-Cとは


そもそも「USB-C (ユーエスビー・シー)」とは、アップルが開発した次世代USBの規格です。USB-CはUSB3.1に準拠していて、小さくてリバーシブルで使える点が特徴です。2015年にデビューした「新しいMacBook」には従来のUSB-Aが取り除かれ、USB-Cポートを1つのみを搭載するという大胆な改革が行われました。このアップルの政策によって、これからは「20年以上スタンダードだったUSB-Aに代わって、USB-Cが主流になる」という風潮が一気に広まりました。

USB-Cは普及していない?


もちろんアップルはUSB-Cの普及に力を入れており、2016年に新しくなったMacBook Proも「USB-C」しか搭載していません。ところが、USB-Cは予想されていたよりもあまり普及しておらず、スマホのmicro-USBに代わって採用される動きはあるものの、PCのポートにおいては、いまだに「USB-A」が不動の地位を築いています。この理由は、シンプルにそもそも「PCの買い替えが進んでいないから」ではないでしょうか。PCの進化はもう頭打ちで、一度購入すれば少なくとも5年は買い換える必要がありません。さらに昨今はPCの売り上げが減少しており、「そもそもPCがいらない」という人も増えています。そんな代謝のおこらないPC業界に、今更新しいUSBポートなんて必要ないということでしょうか。従来のUSB-Aでも、ユーザーは利用に支障をきたすこともないので、下手にUSB-AとUSB-Cを混在させても、ユーザーの混乱を招くだけなのかもしれません。

マイクロソフトはUSB-Cを採用しない?

マイクロソフトは現在販売している自社全ての「Surface (サーフェス)」製品において、USB-Cポートを採用していません。これは先日発表された「Surface Laptop (サーフェス・ラップトップ)」も同じです。この一貫した姿勢を見る限り、マイクロソフトは、「PCにはUSB-Cは必要ない」と考えているのかもしれません。USB-Aポートは1996年から、20年以上かけて私たちの生活に浸透しました。今やスマホの充電ケーブルさえもUSB-Aが主流で、飛行機やホテルにも充電のためのUSB-Aポートが設置されています。そのため、ここまで定着しているUSB-Aという資産を捨てるなんてとんでもないとマイクロソフトは考えているのかもしれません。

最後に

もしもマイクロソフトが今後もUSB-Cを採用しないのなら、アップルの今後の対応が気になるところです。アップルという会社の性質上、今更USB-CをやめてUSB-Aに戻すことは考えにくいので、おそらくMacでは、引き続きUSB-Cが採用されることになります。そうなると、Surfaceは「USB-A」、Macは「USB-C」と言った風に、両者の間で互換性がとれなくなります。そのため、お互いにUSBデバイスやケーブル類を使いたいときは、変換プラグの利用が必須になります。これはユーザーにとって不便なことになりそうです。