「PodCast (ポッドキャスト)」がIoT時代で成長する理由

皆さんは「PodCast (ポッドキャスト)」というものをご存知でしょうか。初めて聞いた、もしくは久しぶりに名前を聞いたという人も多いかもしれません。実はこの「ポッドキャスト」が今アメリカでじわじわと注目されているようなのです。もしかすると、これからの時代は音声で情報を得る「ポッドキャスト」が、より人気を拡大するのかもしれません。今回はそんな「ポッドキャスト」をおすすめする理由をご紹介します。

PodCastとは?


「PodCast (ポッドキャスト)」とは、2005年頃に登場したインターネットの音声配信サービスです。配信されるコンテンツは、ラジオのような対話形式のものから、語学学習まで幅広くあり、基本的に無料で利用できます。ポッドキャストはアップルと提携したこともあって、2000年代には「iPod」とともに大ヒットしました。iPodやiTunesを使っていた人は、実際にポッドキャストを利用したことがあるかもしれません。やがて2010年代に入ると、徐々に「ポッドキャスト」の名前を聞かなくなりました。というのも、通信環境などの向上によって、YouTubeなどの動画メディアが人気を集めたからだと思います。しかしながら、最近アメリカではポッドキャストの市場が拡大しているようです。どうやらポッドキャストには、YouTubeなどの他のメディアにはない魅力があるようなのです。

アメリカでは「PodCast」の市場が拡大中!?


アメリカではここ数年でポッドキャストの存在感が増しており、2017年のポッドキャスト広告市場は2億ドルに到達する見込みであると、「DIGDAY」の記事が報じています。(参考: DIGDAY)。また、記事中にはポッドキャストは最も親しみを感じられるメディアで、ライブイベントに乗り出すポッドキャスターが増えていると取り上げられています。また、その人気拡大にともなってポッドキャストの広告主も増えているそうです。最近はユーチューバーのようなYouTubeばかりが注目されがちですが、実はポッドキャスターたちも人気を集め始めているようですね。

なぜポッドキャストがここまで人気になっているのかというはっきりした理由は不明ですが、私はユーザーが音声メディアに最注目しているからではないかと見ています。その理由は、2015年頃から普及し始めたアマゾンの「エコー」にあります。エコーではSNSも動画も見れないので、音楽かポッドキャストなどの音声メディアを聞くしかありません。そのため、エコーの普及とともに「音声メディア」の魅力に再注目し始めたユーザーが増えたのではないでしょうか。また、エコーは音声で全てをコントロールする端末です。そのため、ハンズフリーの音声コントロールに慣れきったユーザーが、以前のようにスマホに噛り付くのが億劫になったという考え方もできます。つまり、今後アレクサのような音声コントロールがより普及して、IoTの時代になるほど、比例するようにポッドキャストの人気も高まっていくかもしれないのです。

PodCastは健康的なメディア!?


ポッドキャストは「音声メディア」です。他の「活字メディア」であるニュース記事やブログ、SNSをスマホで見るのも楽しいですが、長時間見ていると首が下に向き続けて「ストレートネック」の原因になってしまいます。また「動画メディア」であるYouTubeやネットフリックスは、長時間座ってスマホやタブレット、テレビで見続けるとエコノミークラス症候群などの原因になります。つまり活字メディアも動画メディアも健康的なメディアかと聞かれれば「イエス」とは言い難いのです。

対する「音声メディア」というのは、歩きながら、通勤・通学をしながら、料理をしながらなど、唯一体を動かしながら(安全に)楽しむことのできる「健康的なメディア」なのです(もちろん聞き過ぎれば難聴の原因になりますが)。テクノロジーが進歩して便利になるほど、私たちは徐々に運動不足になってきました。そんな背景から昨今は人々の「健康志向」が高まり、意識して体を動かそう、歩こうという風潮が生まれています。そして体を動かしながら楽しめるメディアとして最適な、「ポッドキャスト」が再注目されるに至ったのかもしれません。

最後に

テクノロジーが進歩して便利になるとともに、私たちは体を動かす機会を失っていきました。アマゾンを使えば家にいながら何でも購入できるし、音楽・動画ストリーミングのおかげでレンタルショップに行くこともなくなりました。そんな時代だからこそ、意識して運動習慣をつくることが大切なのかもしれません。また、これからはアレクサのような音声コントロールが生活の中心になっていきます。こういった音声コントロールが普及するほどに、音声メディアを「ながら聞き」する機会も増えていくのでしょうか。このような時代の背景から、ポッドキャストが再注目され、音声メディアの時代がやってこようとしているのかもしれませんね。皆さんも「ポッドキャスト」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ウェブサイト: アップル – Podcast

[uner]