アップル、MacとiOS端末の「H.265/HEVC対応」を発表!遂に標準サポートへ

アップルはWWDC’17にて、次世代のmacOS 10.13(High Sierra)と、iOS11、tvOS11にて次世代ビデオコーデックである、「H.265/HEVC」に対応することを発表しました。

これによって、新しいOSをインストールしたMac、iPhone、iPad、Apple TVでは、標準でH.265の動画を再生できるようになります。

H.265とは?


H.265 (エイチ・にろくご)」とは、H.264の後継ビデオコーデックです。またの名を「HEVC (エイチイーブイシー)」とも呼びます。

H.265は圧縮効率がとても高いことが特徴で、従来のH.264と比較して最大約40%(半分以下の容量に!)の圧縮効率を誇っています。

H.265は2013年に承認され、今ではネットフリックスやAmazonビデオなどの動画ストリーミングサービスやUltra HD Blu-rayにも採用されています。

4K、8Kなどの高解像度をサポートするだけでなく、新たにHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)にも対応している点が特徴です。

H.265に対応するアップルのOSと端末


H.265をサポートするOSは「macOS 10.3(High Sierra)」と「iOS11」、「tvOS11」をインストールした端末です。

ところが、4KのHEVCの再生に対応するのは、第6世代(Skylake)以降のIntel Coreプロセッサを搭載したモデルのみとされています(参考: アップル)。なので、27インチiMac(Late 2015)、MacBook(Early 2016)、MacBook Pro(2016)、そして今回登場した2017年モデルのMacが対象になります。このように、4KのH.265/HEVCに対応するMacは限られてくるようです。

対象のiOS端末は特別な記載がないので、iOS11対応の全ての端末で動作するのでしょうか。iOS11のアップデートに対応しているのは、iPhone 5s以降に発売された全てのiPhone、iPad mini 2〜4、iPad Air1〜2、iPad 5th、全てのiPad Pro、iPod touch 6thです

すべてのiOS11を搭載した端末がH.265に対応するかどうかの確証はまだありませんので、ご了承ください。

追記: 旧機種のiOS11端末でも一応再生が可能でした。詳しくはこちら: iOS11で「H.265/HEVC」の動画再生を試してみた

よりハイエンドに力を入れる?


WWDC’17では、MacBook、iMacのスペック強化や、新たにCPU、GPUを最強にした「iMac Pro」を投入するなど、Macのハイエンド化の話が強調されていました。

このことから、アップルはMacにおける4K HDRの動画制作や、VRなどのグラフィック面のサポートにより力を入れていくようです。

しかしH.265に関しては対応が遅すぎたと言わざるを得ない印象です。ハイエンドPCを求める大多数のユーザーはすでにWindowsへ流れてしまっている傾向があります。

今回のスペック強化でMacに再びハイエンド志向のユーザーを取り戻したいところですね。

4K映画配信の伏線?


また、今回新たにH.265に対応したのは、iTunes映画の4K配信を準備している伏線かもしれません

アップルは17年後半に4K HDRの出力に対応した新しい(第5世代)Apple TVを発売すると噂されていて、それに伴ってiTunesストアの映画配信も4Kに対応する可能性も高いのです。

デバイスだけ4K対応して肝心のコンテンツが対応していないことは考えにくいですし、すでにライバルのGoogle Playは16年より4K映画の配信を始めているので、このままアップルが対応しない可能性の方が低いと言えます。

そして4K映画の配信には、H.265等の次世代コーデックの対応が必須になります(H.264では容量が肥大化するため)。新しいmacOS、iOSが配信される辺りの時期に、iTunes映画も4Kへ対応するのでしょうか。

追記17.10.1: 実際にiTunes映画の4K HDR対応が始まりました

互換トラブルは避けられない?


iOS11では、対応する端末のビデオ撮影はH.265(HEVC)になる予定です。

しかし、当然iOS11で撮影した動画ファイルは、iOS10以前の端末では再生できません。そのため古いOSを使っているユーザーとの間で動画が再生できないといったトラブルが生じたり、またいくつかのアプリケーションではH.265に対応できずに不具合が起きることが予想されます。

このようにiOS11がリリースされた直後は、動画ファイルをうまく扱えない「11ショック」が起こる可能性があります。もちろん、アップデートの対応などによって時間の経過とともに問題は沈静化することになるので、それほど危惧することはないかもしれません。

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Apple(アップル)

最後に

今回アップルが突如H.265をサポートしたことは想定外でした。というのも、アップルはこの手の新規格は率先してサポートしてきましたが、H.265が流行りになり始めた2014〜15年頃に対応しなかったためです。

そのため、「なぜ今更になって対応したのか」という疑問が残ります。おそらく当初アップルはH.265をサポートするつもりがなかったのですが、想定外に普及が進んでいることと、ユーザーからの対応の要望が強いことを受けて今更ながら対応を決めたのかもしれません。

ともあれ、王者アップルの対応によって映像業界は、今後H.265がよりスタンダードに近づいていくでしょう。4KやHDRといった次世代動画の普及もより進むかもしれませんね。

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