電気自動車(EV)の維持費はいくらかかる?ガソリン車よりお得なのか

世界中が注目するテスラの新型電気自動車「モデル3」が遂に発売になります。350kmの航続距離を実現しながら、価格も3万5,000ドルに抑えられているとあって、予約が殺到しているようです。

また、日産の電気自動車「リーフ」も、9月に航続距離を大幅に増やした新型モデルが登場するようです。

このように、今「電気自動車(EV)」に対する注目度がとても上がっています。

そこで疑問になるのが、「電気自動車って維持費はどれくらいかかるの?」、「ガソリン車よりお得なの?」ということです。

そこで今回は、「電気自動車の維持費はいくらかかるのか」についてご紹介します。

電気自動車(EV)の維持費はいくらかかる?

電気自動車の維持費1. 税金

1つ目の電気自動車にかかる維持費は「税金」です。

日本で自動車を所有する人は、必ず「自動車税」を払わなければいけません。

自動車税は排気量に応じて税額が変わるのですが、電気自動車には排気が存在しないので0cc扱い、つまり1000cc以下の区分になります。

また現在の国の制度では減税されるため、電気自動車の新車新規登録の翌年度のみ概ね75%軽減とされています。

さらに、自治体によって減税されるケースもあり、東京都では、電気自動車を平成32(2021)年度までに新車新規登録した場合、自動車税が5年度分全額免除となります(参考: 次世代自動車の導入促進税制)。

自治体による減税は、お住いの地域によって異なります。

電気自動車の維持費2. 電気代

2つ目の電気自動車にかかる維持費は「電気代」です。

電気自動車にはガソリンは1滴も必要ありませんが、代わりに電気が必要になります。

電気自動車を充電するための方法は2つあって、1つは「家庭で充電する方法」です。

家庭で充電する場合は、一度専用の充電器を取り付けておくだけで、あとはスマホを充電するように家庭で車を充電できるようになります。もちろん、充電時にかかる電気代は月々の電気代の支払いに上乗せされます。

電気自動車を充電するための電気代にどれくらいかかるのか」という疑問ですが、NISSAN EV blogに掲載されているものを平均すると、1kmあたりおよそ0.8831円になります(参考: 電気自動車「日産リーフ」 毎月の電気代はいくら?)。実際に電気自動車を使っているユーザーからは、ガソリン代よりも安いという情報が出ています。

2つ目の充電方法は、「街の充電器を使う」ことです。

テスラの車を使っている場合は、専用のスーパーチャージャーが年間1,600km分無料で利用できます。日産リーフのユーザーであれば、月額2,000円で日本全国の充電器が使い放題です(参考: 旅ホーダイはじまる。)。

他には、JTBの「おでかけCard」を契約する方法があります。おでかけCardは、普通充電のみのレギュラーで月額2,500円使い放題、急速充電対応のプレミアで月額5,000円で1分あたり15円の追加課金になります。

他には「NCSカード」なら、普通充電のみなら月額1,400円で1分あたり2.5円、急速充電のみなら月額3,800円で、1分あたり15円の追加課金になります。

電気自動車の維持費3. 車検代

3つ目の電気自動車にかかる維持費は「車検代」です。

電気自動車の車検代は、一般的にはガソリン車よりも安くなると言われています。その理由は、電気自動車はガソリン車に比べてパーツ(部品)の数が少ないためです。そもそも電気自動車にエンジンは存在しませんし、オイルも必要ありません。

実際に日産リーフの車検に関するQ&Aを見ると、リーフのユーザーはおおむね6〜10万円程度の車検代に収まっているようです(参考: 車検 リーフQ&A)。

このように、電気自動車は車検代が安くなる傾向がありますが、その代わりに、バッテリーの消耗問題があります。

電気自動車に採用されているリチウムイオン電池は、スマホのバッテリーと同様に、何度も充電して、使えば使うほど消耗していきます。

そのため、何年も乗っていると、フル充電しても当初の7割くらいしか走れないなんてこともよくあります。

リチウムイオン電池を新品に交換するのはとても高い(70万円弱との情報あり)ので、スマホと同様に電気自動車は数年おきに買い換えるのがベターなのかもしれません。

最後に

今回は、「電気自動車の維持費はいくらかかるのか」についてご紹介しました。

電気自動車の是非を巡っては、賛否両論分かれています。現状を見ると、電気自動車は遠出に向かず、街乗り用といったところです。

しかしながら、ボルボは2019年までに全ての車をハイブリッドと電気自動車にシフトすることを発表していますし(参考: ボルボ、電気自動車およびハイブリッドへの完全移行をアナウンス)、フランスも2040年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止して電気自動車に移行することを発表しています(参考: フランス 2040年にガソリン車、ディーゼル車の販売禁止へ)。

また、世界最大の自動車市場である中国では、政府の主導で電気自動車が大幅にに優遇され、もはや電気自動車でなければ売れない時代になってきています。

これらのことから、今後世界の自動車市場は電気自動車にシフトしていくことは間違いないのではないでしょうか。

今は不便なところも多い電気自動車ですが、これから改善されて快適な乗り物へと進化していくのかもしれませんね。