ナウト社って何者?トヨタやソフトバンクが出資で注目

今回は「ナウト社」についてご紹介します。ナウトはアメリカのパロアルトに本社を置く、自動運転を手がけるベンチャー企業です。このナウトをめぐって、日本でも16年にトヨタが出資を発表しています(参考: トヨタ・BMWなど、米AIベンチャーと提携)。さらに17年にはソフトバンクも出資を発表するなど(参考: ソフトバンク、自動運転関連のベンチャー企業ナウトに出資)ナウトは大変注目を集めているようです。今回はそんな「ナウト社」について見ていきましょう。

ナウト社とは?

ナウト社 (Nauto Inc.)」とは、2015年にCEOのStefan Heck(ステファン・ヘック)氏と、CTOのFrederick Soo(フレデリック・スー)氏によって、アメリカのシリコンバレーに位置するパロアルトに設立されたベンチャー企業です。ナウトが手がけるのは、自動車の「自動運転技術」です。ナウトは、Android OSの生みの親であるAndy Rubin(アンディ・ルービン)が率いるPlayground Globalが、1,200万ドルの投資を行ったことでも注目を集めました。ナウトの自動運転技術は、グーグル(ウェイモ)などの自動運転技術で用いられている高価なライダーセンサーは使わず、モーションセンサーやGPSシステムを使って、手頃な価格での自動運転を実現するそうです。ナウトのシステムでは、人工知能とダッシュカメラを融合させ、走行中の道路で起きていることをリアルタイムで検知して、衝突の恐れなどがある場合は事前にドライバーに警告します。ナウトのシステムは、既存車への導入がより安価で簡単であることが強みであるそうです(参考: Nauto raises $12 million for driverless car technology that’s street-legal today)。

ナウトが目指す自動運転とは?

「自動運転」と聞くと、ドライバーが一切ハンドルに触れずに、目的地まで全自動で連れて行ってくれるものを、私たちは想像しがちです。そのような完全自動運転はいわゆる「レベル5」と呼ばれるもので、グーグル(ウェイモ)やテスラが目指しているものです。しかしながら、ナウトが目指すのは、そのような自動運転ではないのかもしれません。ドライバーが運転せずに済む技術というよりかは、ドライバーの事故を減らすための技術という解釈が正しそうです。ナウトの技術は、基本的には従来通りにドライバーがハンドルを握って運転し、脇見運転や、突発的な交通事故を回避するためにドライバーをサポートするといったところなのでしょうか。実際はナウトがどこを目指しているのかはわかりませんが、ウェブサイトの情報を見る限りでは、「より安全に」をファーストに考えているように受け取れます。

最後に

今回は、「ナウト社」についてご紹介しました。トヨタがナウトへ出資しているのは、もちろん、将来的にナウトの技術をトヨタの車に搭載するためだと思われます。ナウトの技術は既存車への搭載が容易とされているため、ある時期からひょっこりトヨタ車にナウトの自動運転技術が載っている可能性は十分にありえます。自動運転技術は、ナウトの他にもグーグル(ウェイモ)、ウーバー(オット)、テスラ、アップルなどが続々と開発に着手しています。これからどんな自動運転技術が登場するのか、とても楽しみですね。