スマホの普及で若者はむしろ「活字 (文字)」を読むようになった!?

一昔前に、「若者の活字離れ」というのが社会問題になっていました。これは、若者たちが「新聞」や「本」などの活字を読まずに、「テレビ」や「ゲーム」ばかりしたり、読むとしても「漫画」ばかり読んでいることを危惧した言葉です。特に1990〜2000年代によく言われたのではないでしょうか。では、現代はどうでしょうか。確かに若者たちは相変わらず「新聞」や「本」を読むことはありません。ところが、「活字 (文字)」は毎日読んでいるのです。電車に乗って周りを見ると、若者たちは必死にスマホに噛り付き、「活字」を読んでいます(印刷物ではないですが)。そうです、彼らは「SNS」をチェックしたり、「ニュース」をとてもよく読んでいます。

スマホの普及で若者はむしろ「活字 (文字)」を読むようになった?

ある調査では、10代の69.9%、20代の70.4%がスマホでニュースを読んでいるようです(参考: 若者は今でも「テレビ」で情報収集、人気のニュースアプリは–スマホ画面から読み解く実態)。10年前であれば、テレビでニュースを見ることはあったとしても、「活字」の、文字で書かれたニュースを読む機会は今より少なかったのではないでしょうか。このように、若者は今でも「新聞」は読まないものの、ニュースアプリやウェブ検索、LINEやツイッターといったSNSを通して、「活字のニュース」を読むようになったのです。まさにスマホの普及によって、一時は離れていた若者たちが活字に回帰するという現象が起きているようです。もちろん、「ネットニュースと5大新聞(?)を同じにするな」、「ネットニュースはメディアじゃない」と憤慨している人もいますが、時代は変わっていくもので、むしろ従来のマスコミの方が信用できないケースもあります(参考: 新聞に「加計報道」への意見広告 前川証言は2時間、反対意見は8分)。このような、新聞からネットニュースへの変遷というのは、21世紀流のメディアの進化と言えるかもしれませんね。

最後に

今回は、「スマホの普及で若者はむしろ活字(文字)を読むようになった?」についてご紹介しました。もちろん、「活字」というのは本来印刷物に対して使うものですが、今となってはウェブや電子書籍が普及して印刷物の利用は減少しているので、今後活字の定義も変わっていくのかもしれません。また、時代は繰り返すものなので、およそ50年後は、再び若者の活字離れが問題化し、「ネットニュースを読みなさい」と老害化した私たちが口を酸っぱくして言っているかもしれませんね。その兆候は今も現れていて、中高生の中には「グーグル検索を使わない」、「検索はインスタやユーチューブ」という人もいるようです。結局人間は「文字」より「動画」や「写真」といったメディアが好きなのかもしれません。