スマホゲームに飽きてきた?コンシューマゲームに回帰するのか

ニンテンドー・スイッチ」が大ヒットしているようです。現在はどこの販売店に行っても入荷待ちの状態で、任天堂のホームページもアクセス制限がかけられるほどです(参考: 任天堂、「スイッチ」予約受付殺到で通販サイトのアクセス制限 )。

スイッチがヒットした要因は、コアゲーマーとライトユーザーをバランス良く受け入れられたことにあると思います。普段からPCゲームやPS4を楽しんでいるコアゲーマーの層も、ゼルダやスプラトゥーンを楽しんでいますし、さらに複数人プレイに長けたゲームが多いので、子どもたちやカジュアルにゲームを楽しむライトユーザー層にも受け入れられたようです。

一時はスマホゲームの爆発的ヒットにより、コンシューマゲーム機はもう売れないという見方もありましたが、最近はパズドラで猛威を振るったガンホーの業績が低迷するなど(参考: ガンホーの1~6月、純利益28%減 「パズドラ」の売上高減少)、ゲーム市場に変化が起きているようです。

スマホゲームに飽きてきた?

スマホゲームは基本無料でプレイできるという、これまでのゲームの常識を破壊するビジネスモデルで成功しました。タダより安いものはないので、多くのライトユーザーがスマホゲームに食いつき、次々にダウンロードして遊ぶようになります。

もちろん、無料でプレイされては開発会社は儲からないので、ゲーム内でアイテムなどを課金させることを前提に難易度やパワーバランスを設定するようになります。すると、自然と無課金でプレイしているユーザーは圧倒的に不利になるという構図が生まれました。つまり、ゲームをクリアするためには、じゃぶじゃぶ課金しなければならないのです。さすがに5年くらいスマホゲームを遊び続けていると、ユーザーたちもこの一生報われない地獄のようなゲーム構造に気づき始めます。楽しむためにゲームをしているのに、ゲームをして疲れていたのです。

そこで、「コンシューマゲームであれば、買い切りでエンディングまでフェアに遊べる」というシンプルな事実を思い出し、気づいた人たちからコンシューマゲーム機への回帰が始まっているのかもしれません。このように、ライトユーザーがスマゲームに飽きてきたことが、ニンテンドー・スイッチがヒットしている1つの要因なのでしょうか。

コンシューマゲーム機の方がライトユーザー向きだった?

ライトユーザーのコンシューマゲーム機への回帰といえば、2016年に任天堂のファミコンミニこと、「クラシックミニ・ファミリーコンピュター」が大ヒットしました。これは、一度¥5,980で買ってしまえば、追加課金も何もなく収録されている30本全てのゲームがエンディングまで遊べるというシンプルなものです。

しかもハードが壊れない限りは、遊びたいときにいつでも、一生遊ぶことができます。ライトユーザーは年中ゲームをしているわけではありません。いくつかある趣味の中の1つとしてゲームがあるのです。このライトユーザーの趣向と、ファミコンミニのビジネスモデルがうまく合致してヒットしたのかもしれません。そもそも、毎日ログインすることを要求してくるスマホゲームは、ライトユーザーにとって重荷になり、次第に遊ばれなくなっていった節があります。

ニンテンドー・スイッチも、スプラトゥーンも一度買ってしまえばいつ遊ぶかはユーザーの自由です。追加課金をしないとゲームを進められないこともないので、実はスマホゲームよりもコンシューマゲームの方がライトユーザーにとってうってつけだったのかもしれません。

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最後に

今回は、「ライトユーザーはスマホゲームからコンシューマゲームに回帰するのか」についてご紹介しました。

もちろん、今後スマホゲームが一気に廃れて、ライトユーザーが全員コンシューマゲームに移行するという極端なことはないと思います。スマホゲームはピークアウトして減少傾向にあるものの、今後も一定の市場規模を維持すると思います。

なにぶんPCゲーム、PS4、スイッチ、スマホでプレイしているユーザー層が異なってくるので、それぞれのゲーム市場が住み分けされていく可能性もあります。そしてスイッチのヒットは、最近ゲームから離れていた人たちが戻ってくる良い機会になるのかもしれません。今後のゲーム市場がどうなっていくのか、とても楽しみですね。