「Apple Watch」がiPhoneなしで利用できる日は来るのか?

新しい「Apple Watch Series 4」は、「セルラー通信」に対応し、iPhoneと接続されていない環境においても電話やメッセージの送受信、音楽ストリーミング、通知、Siriなどが利用できるようになりました。

このように、セルラー対応によって様々な機能が単体で使えるようになったApple Watchですが、相変わらず利用するためには事前にiPhoneとのペアリングが必須です。

そこで今回は、「Apple WatchがiPhoneなしで利用できる日は来るのか?」について考えていきましょう。

Apple WatchがiPhoneなしで使えるようになれば、iPhoneを持っていないユーザーも利用できるようになるので、よりセールスを拡大することにも期待できます。

Apple Watchだけで利用できる機能

まずは、今回のセルラー対応によって可能になったものも含めて、iPhoneとの通信を経由しなくても使える機能、すなわち「Apple Watchだけで利用できる機能」をおさらいしておきましょう。

いずれも、事前にiPhoneとのペアリングが完了していることが条件です。

  • 電話
  • メッセージの送受信
  • Apple Musicのストリーミング再生
  • マップ
  • Siri
  • 通知
  • Apple Payの利用
  • アクティビティ/ワークアウト
  • タイマー/ストップウォッチ/アラーム
  • 天気/株/リマインダー/カレンダー

このように、今回のセルラー対応によってほとんどの機能がApple Watchだけで利用可能になりました。

もはや電話やメッセージの送受信といった基本的な機能の利用には、iPhoneは必要ないのです。

また、新たに対応する「Apple Musicのストリーミング再生」にはとても注目されていて、販売が終了したiPod nanoを代用するものになる(Apple WatchがiPodになる)と期待されています。

このように、現状でもApple Watchだけで多くのことをこなせるようになり、必ずしもiPhoneを取り出して使う必要があるのは、「カメラで撮影」や「ウェブブラウザの利用」、「ニュースを読む」、「SNSに投稿する」くらいになりました。

Apple Watchだけでは利用できない機能

では次に、iPhoneとの通信を経由しないと使えない機能、すなわち「Apple Watchだけでは利用できない機能」について見ていきましょう。

  • アプリのインストール
  • キーボードによる文字入力
  • Apple Payの登録
  • 一部のサードパーティアプリ
  • 初期セットアップ

まず、Apple Watchだけでは「アプリのインストール」ができません。現状では必ずiPhoneからアプリを同期する必要があります。

また、Apple Watchには「キーボードによる文字入力」の機能がありません。そのため、メッセージの入力にも「音声入力」か「定型文」、「Scribble (日本語未対応)」を用いる必要があります。

このようにApple Watchにはキーボード入力の機能が求められるのですが、38mmや42mmの小さいディスプレイでどうやって文字入力を実現するのかが難しいところです。

また、「Apple Pay」にSuicaやクレジットカードを登録するためにはiPhoneが必須になっています。

そして、Facebook Messangerなどの「一部のサードパーティアプリ」はiPhoneとの通信を経由しないと使えない仕様のようです。

これはアップデートで今後の解決できるのでしょうか。そして極め付けは、iPhoneがないと「初期セットアップ」が行えないことです。

これはかつてiPodにMac/PCのiTunesが必要だったのと同様で、Apple Watchを箱から空けて電源を入れると、まずはじめにiPhoneとのペアリングが求められるのです。

Apple WatchがiPhoneなしで利用できるようになるためには、まずこの初期セットアップのあり方を刷新する必要があるのです。

Apple WatchがiPhoneなしで利用できる日は来るのか?

では、「Apple WatchがiPhoneなしで利用できる日は来るのか?」という最大の疑問ですが、これはいつかは来ると思います。

今はiPhoneを母艦として接続しているApple Watchも、次は「iCloud」を母艦として使えるように変わっていくのではないでしょうか。

もっとも、Apple WatchがiPhoneなしで利用できるためには、iPhoneなしでの「初期セットアップ」に対応することと、Apple Watchから直接App Storeへアクセスして「アプリのインストール」をできるようにすること、そしてもちろん、アップルIDやパスワードを入力するためにも「キーボード入力」に対応することや、「Apple Pay」や「サードパーティアプリ」なども完全にApple Watchオンリーで動作する仕様に変更していかないといけません。

これらの機能が実装されるのは、おそらく早くてもSeries 5が登場する2019年頃になるかもしれません(iPod touchも5世代目くらいまでPC/MacのiTunesが必須でした)。

また、おそらくその頃には、iPhoneと「ペアリングする」という言葉が死語になっていくでしょう。

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Apple(アップル)

最後に

今回は、「Apple WatchがiPhoneなしで利用できる日は来るのか?」についてご紹介しました。

Apple WatchはSeries 3の「セルラー対応」によって大きく進化しましたが、実際のところはまだまだ未完成の製品だと思います。

そしてセルラー通信に対応したといっても、すべてのアプリがiPhoneとの接続なしで動作するわけではありませんし、iPhoneのように「これ1台でなんとかなる」ということもありません。

やはりApple Watchの次の進化は、母艦となるiPhoneから完全に切り離すことにあるのかもしれません。

ちなみに、アップルからは「ARスマートグラス」の登場も噂されているので、将来はそれとApple Watchを組み合わせた新しい使い方が生み出されて行くのかもしれませんね。