iPad Proを一人一台持つ時代はやってくるのか。2in1タブレットの行く先は?

「iPad Pro」はiOS11によって、さらに便利な製品へと進化しました。PCが年々販売台数を減らしている中で、iPadは確実に進化し、成長を続けています。そんなiPad Proが次に目指すのは、スマホのように一人一台所有するデバイスになることです。

そこで今回は、「iPad Proを一人一台持つ時代はやってくるのか」について見ていきましょう。PCやMacがこれ以上の進化が見込めなくなってきた今、iPad Proのような2 in 1デバイスがどこまで成長できるのかに期待がかかっています。

スマホだけではできない・向いてないこと

まずは、スマホだけではできない、あるいはできるものの向いていないことを整理してみましょう。

iPad Proを手にする理由として最もなことは、スマホではできないことをするためだと思います。この「できないこと」を見れば、iPad Proがどこまで普及し得るのかも予想できるでしょう。主に以下の6つです。

  1. 文章の作成
  2. 表計算ソフトの利用
  3. プレゼン資料の作成
  4. 写真のレタッチ
  5. ポスター等のデザイン
  6. 楽曲制作

では、この「スマホではできない・向いていない6つのこと」を順に見ていきます。

1つ目は「文章作成」です。文章の作成はスマホでもできますが、フリック入力で長文を打つのは疲れますし、スマホにBluetoothキーボードを接続するのもなんだか効率が悪いので、iPad ProとSmart Keyboardを使った方がスマートですね。iPad Proでの文章の作成は、マイクロソフトオフィスの「Word」やアップルの「Pages」などのアプリを使うことで快適に利用できます。

2つ目は「表計算ソフトの利用」です。スマホでも表計算ソフトは一応利用できますが、なにぶん画面サイズが小さいため使いづらく、効率も悪くなると思います。iPad Proでは、マイクロソフトオフィスの「Excel」や、アップルの「Numbers」などのアプリが利用できるので便利です。

3つ目は、「プレゼン資料の作成」です。これも表計算ソフトと同様に画面の小ささが足を引っ張ります。iPad Proであれば、マイクロソフトの「Power Point」やアップルの「Keynote」を使って、10.5〜12.9インチのディスプレイで快適にプレゼン資料の作成を行うことができます。

4つ目は「写真のレタッチ」です。iPad Proでアドビの「Lightroom」や「Pixelmator」などのアプリを使って、快適なレタッチを楽しむことができます。iOS10からはRAW画像の撮影や読み込みも標準サポートしたので、より高度な写真のレタッチが可能になりました。

5つ目は「ポスター等のデザイン」です。iPad Proは「Apple Pencil」が使えるので、ペンで絵や文字などのデザインを描くこともできます。これはスマホでは絶対にできないことですね。

6つ目は「楽曲制作」です。iPad Proでは「Garageband」などの優秀なDTMアプリが使えるので、本格的な楽曲制作も可能なのです。

ほとんどの人はスマホだけで十分?

ここまで、「スマホではできない・向いていないこと」を見てきましたが、裏を返せばこれらの「文章の作成」や「表計算ソフト」などを一切利用しない人には、iPad Proは必要なく、スマホで十分であるという考え方もできます。

もちろん、iPad Proの方がウェブブラウジングや動画の視聴が快適に行えますが、そのためだけに8万円近くするiPad Proを入手する人はガジェットオタクだけだと思います。ほとんどの人にとっては、今使っているスマホなりiPhoneで十分こと足りていて、わざわざiPad Proに手を伸ばす理由はないのかもしれません。

iPad Proは今、PCを使っているユーザー層からシェアを奪うことに力を入れています。古くなったWindowsのマシンに代わって、iPad Proを購入してもらうように促しているのです。やはり、ほとんどの人がスマホで満足している中で、iPad Proの販売台数を伸ばすためには、ビジネス向けの需要や、教育市場にフォーカスするしかないようです。

そう考えると、iPad Proは単なる2 in 1のタブレットではなく、Windowsの代替マシンなのかもしれません。

最後に

今回は、「iPad Proを一人一台持つ時代はやってくるのか」についてご紹介しました。

結論としては、iPad Proをスマホのように一人一台所有するという時代はやってこないと思います。それでも、今パソコンを使って作業をしている人のほとんどは今後、iPad Proのような2 in 1タイプのコンピュータへ移行していくことは間違いないと思います。

現在のiPadにはデスクトップ版がないので、据え置きの大画面で使いたいという需要には対応できていません。そのため、いずれは20数インチクラスのデスクトップ版iPadが登場するかもしれませんね。

iPadはスマホとパソコンの中間を目指して開発されましたが、もはやiPadがパソコンの役割そのものを担ってしまう時代がやってくるのかもしれませんね。