2020年代はスマホバブル終了?シリコンバレーに冬が来るのか

2010年代に入ってからというもの、スマートフォンが世界で爆発的に普及し、それに伴って今シリコンバレーでは3度目のバブルを迎えていると言われています。

シリコンバレーのバブルは、1度目は70年代頃の「半導体バブル」、2度目は90年代末から00年代初等の「ドットコムバブル」、そして3度目は現在の「スマホバブル」です。

スマホバブルによって大躍進した会社は、「フェイスブック」、「ツイッター」、「インスタグラム」、「ウーバー」、「エアビーアンドビー」、「ピンタレスト」などが有名どころです。

また、現在も数え切れないほどのスタートアップ企業たちが、次のフェイスブックを目指してしのぎを削っています。

果たして、このスマホバブルはいつまで続くのでしょうか。

スマホはもう新鮮じゃない?

スマホの販売が今後どのような展開をするのか予想する上で、かつてのPCを参考にしてみましょう。

PCは90年代後半から普及が始まり、2000年代前半のWindows XPの頃に一通り行き渡った感があります。

その後は、スペックにこだわらないユーザー層がとにかく安価なPCを求めるようになりました。

この傾向を参考にすると、スマホは2020年までには一通り行き渡り、2020年以降は、ギャラクシーやiPhoneのようなハイエンドモデルではなく、とにかく安価なモデルが数を増やしていくことが予想されます。

また、安価なスマホを好む人は、積極的にスマホを利用しない層なので、新しいアプリやウェブサービスを試したり、そもそも興味を示すこともないでしょう。

逆に、2010年代の頭から最新のスマホを追いかけているユーザーは、そろそろスマホに飽きてきている節があるので、2020年以降はスマホの買い替え頻度を3〜4年に1回程度に落としていくことが考えられます。

さらに、そういった新しいモノ好きのアーリーアダプター層の人たちは、最近はスマホよりもスマートスピーカーなどのIoTや、Apple Watchなどのウェアラブル端末に興味を示し始めています

つまり、今までスマホバブルを牽引してきたアーリーアダプターやアーリーマジョリティの層は今後スマホに飽きていき、逆に他の一般的なユーザーは格安スマホを求めるようになるため、スマホバブルは終わっていくことが予想されるのです。

IoTもウェアラブルも万人向きではない?

新しいモノ好きのアーリーアダプター層の人たちがIoTやウェアラブルに夢中になり始めているとは言っても、今後IoTやウェアラブル端末がスマホ並みに一般ユーザーに普及することは考えにくいです。

アマゾンエコーもApple Watchも大変便利な製品ですが、スマホのような生活必需品であるかと聞かれればそうではないと思います。これはVRなどの他のガジェット類も同様です。

つまり、IoTもウェアラブルも次のスマホになることはできず、オタクの嗜好品に留まるのです。

序盤こそ好調な滑り出しを見せたタブレットでさえも、2013年頃をピークに失速してしまいました。

これはやはり、ほとんどの人にとっては、スマホさえあれば、タブレットもウェアラブルもIoTも必要ないということなのでしょうか。

そしてそのスマホでさえも求められなく時代が近づいているのです。

シリコンバレーに冬が来る?

では、スマホが飽きられ始める2020年代は、シリコンバレーにとって冬の時代となってしまうのでしょうか。

おそらく、人々が新しいサービスに今ほど興味を示さなくなっていくので、スタートアップへの投資も減っていくことになると思います。

2020年代も成長していくのは、すでに定着している「YouTube」や「インスタグラム」、「ウーバー (あるいはリフト)」などの既存サービスに限定され、新しい芽はなかなか出てこないのではないでしょうか。

また、IoTやウェアラブル、あるいはスマートグラスといった新しい製品も続々と登場することにはなると思いますが、それらの機器は一部のオタク向けに留まり、ほとんどの人は見向きもしないと思います。

これはちょうど、方向性を見失った2000年代のガラパゴス家電に似ているところがあるかもしれません。

また、積極的に研究が進んでいるAI自動運転も、本格的な実用化にはまだ時間がかかりそうなので、2020年代にAIが店の接客をしたり、自動運転車が街を走り回ることはないかもしれません。

おそらく、2020年代の姿は、今とさほど変化がないというのが現実的な予想になると思います。

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最後に

今回は、「2020年代はスマホバブル終了かと、シリコンバレーに冬が来るのか」についてご紹介しました。

思い返せば、2010年代はテクノロジーの進歩にとって最高の時代だったと思います。スマホと4G(LTE)の普及は、どこでも動画を見れるようにしたり、配車サービスのような様々なアプリの利用を可能にしました。

このように、スマホの登場で今までできなかったことが一気に可能になったのが2010年代だったのです。

では、スマホが当たり前になった2020年代はどういう時代になるのでしょうか。そればかりは実際になってみないと分からないものです。

もしかしたら、今からでは想像もできないような画期的なテクノロジーが登場して、私たちの生活は今とまるで違うものになっている可能性もありますし、逆に今とほとんど変わっていない可能性もあります。

私としては、明るい未来に期待したいところですが、今のシリコンバレーがバブルなのは間違いないと思うので、過剰な投資はしないように、冷静に判断していきましょう。