スマホの充電はQiに、電源ケーブルはUSB-Cに統一されるのが理想?

iPhone 8、Xからアップルはワイヤレス充電規格の「Qi (チー)」に対応しました。
さらに、iOS 11.2のアップデートで、7.5Wのワイヤレス充電に対応するなど、アップルもQiに力を入れているようです(参考: AppleがiOS 11.2を公開。「時刻バグ」を修正、高速ワイヤレス充電に対応)。
そして、もう1つアップルが力を入れている規格が、「USB-C」です。
2015年のMacBook、16年のMacBook Proからは、従来のUSB-A端子は廃止されて、全てUSB-Cへ統一されました。
このように、スマホの充電は「Qi」、電源ケーブルは「USB-C」へ統一される流れが理想的なのでしょうか。
スマホの充電はQiに統一した方がいい?
まずは、スマホの充電を「Qi」に統一すべきかどうかを考えていきましょう。
従来のスマホの充電方法は、主にケーブルと電源を接続することで行なっていました。
このケーブルの種類は、iPhoneはLightningケーブル、Android端末はmicro USBとUSB-Cケーブルといった風に、デバイス間で統一されていませんでした。
しかしながら、ワイヤレス充電規格の「Qi」であれば、iPhoneでもAndroid端末でも、デバイスの種類に関係なく充電することができるメリットがあります。
そのため、例えばカフェのテーブルにQiの充電器を埋め込んでおけば、客はケーブルの種類を気にすることなく、ただ置くだけで充電することができます。
また、友人や知人にちょっとスマホの充電器を貸す際にも、相手がiPhoneでもAndroid端末でも関係なく貸すことができるようになります。
逆にQiのデメリットを考えると、充電速度と充電しながら使えないことがあります。
充電速度については、現状はiPhone Xでも7.5Wが限界ですが、これからのQi規格のアップデートによって、ケーブルで充電した際の10〜20Wと変わらない速度になっていくと思われます。
充電しながら使えない問題については、どうすることもできません。解決策としては、スタンドタイプのQi充電器で置きながら使うか、もしくはQi対応モバイルバッテリーにスマホを装着して使用できるようにするなどの方法が考えられます。
以上のように、スマホの充電をQiに統一することには、現状ではデメリットもありますが、それ以上のメリットも多くあります。
電源ケーブルは「USB-C」に統一した方がいい?
次は、電源ケーブルを、「USB-C」に統一すべきかどうかを考えていきましょう。
USB-C端子は、今のところ、MacBookシリーズや、Galaxyなどのスマホ、Qi充電器やモバイルバッテリーの端子、ニンテンドースイッチなどで採用されています。
USB-Cは、端子の裏表を気にせずにリバーシブルで接続できることや、USB 3.1に準拠しているので、10Gbpsの高速転送と20V×5Aの電源供給が可能なこと、また、とても小型であるため、USB-Aよりも設置スペースを取らず、また、micro-USBを代替することも可能であることが特徴です。
現在、電源ケーブルには、USB-A、micro-USB、LightningのUSBタイプの他に、丸型のDCケーブルや、2Pのメガネ型といった、さまざまなタイプの電源ケーブルが混在しています。
これらのありとあらゆる電源ケーブルたちを、「USB-C」1つに統一してしまうことは可能なのです。
実際に、MacBook Pro 15インチの87Wの大型電源をUSB-Cで供給できることから、ほとんどの電子機器は、USB-Cで供給できることが考えられます。
あらゆる電源ケーブルをUSB-Cに統一してしまえば、利用する人の管理が楽になるだけでなく、製造会社もUSB-Cに集中して生産できるので、コストダウンをしやすくなるメリットがあります。
逆にデメリットとしては、出力側の電源アダプタの電力を間違えやすくなることです。例えば、スマホ用の10Wのアダプタを、ラップトップに繋いでしまって供給する電力が足りなくなるなどです。
ラップトップなどのバッテリ搭載のデバイスであれば、充電が遅くなるという問題しかありませんが、電源から直接供給する機器の場合は、動作に不具合が生じる可能性があります。
また、すでに20年以上かけて普及したUSB-A端子をリプレイスするのは簡単ではないという問題もあります。
以上のように、電源ケーブルをUSB-Cに統一することは、簡単ではありませんが、メリットも多くあります。
最後に
今回は、「スマホの充電はQiに、電源ケーブルはUSB-Cに統一されるのが理想なのか」についてご紹介しました。
QiとUSB-Cをめぐっては、業界のイノベーターであるアップるが今後どう出るかに注目が集まります。
アップルは、iPhoneやiPadにはいまだに「Lightningケーブル」を採用していますが、MacBook用のUSB-CアダプタにiPhoneやiPadを接続すれば急速充電ができるので、USB-C to Lightningなるケーブルも公式で販売しています。
つまり、iPhoneとiPadの付属ケーブルはUSB-A to Lightning、オプションでUSB-C to Lightning、MacBookシリーズはUSB-C to USB-Cという、ケーブルだけで3種類も用意しているのです。
いっそUSB-Cに統一してしまえばいいのに、という話なのですが、アップルはこれからどうするのでしょうか。
また、アップルはこれまで、iPhoneからイヤホンジャックやホームボタンなどを排除してきました。おそらく、次はLightning端子が廃止されるのではという見方も広がっています。
Qiが普及して、iPhoneに充電ケーブルを接続する必要がなくなれば、当然Lightning端子もいらなくなるためです。
そうなった時、iPadの電源コネクタはどうなるのでしょうか。iPadもMacBookシリーズと同様に、USB-C端子へ変更されるのがベストなのかもしれませんね。
これからQiとUSB-Cがどこまで普及するのか、目が離せませんね。