アップルがMacに採用する自社製CPUは、iPadとの互換性を高める?

アップルは、自社の販売するコンピュータ、「Mac」のシリーズに採用されているCPUを、現在のインテル製のものから、自社製のものへ切り替える可能性があると、ブルームバーグが報じています(参考: アップルのMac半導体、インテル製に代わり自社製搭載を計画)。

時期は、早ければ2020年からとされています。もしも、この報道が実現することになれば、アップルの2006年から始まった、いわゆる「インテルMac」の歴史に終止符が打たれることになります。

果たして、アップルがMacに自社製CPUを採用する目的は何なのでしょうか。

アップルがインテルCPUをやめる可能性は高い?

実際のところ、アップルがインテルCPUの採用をやめる可能性があるのかどうかという話ですが、これはあり得る話だと思われます。

理由の1つには、アップルがiPhone・iPad向けに製造している「Aシリーズ」のプロセッサが、すでにデュアルコアのインテルCore i5相当の性能を超えるほど進歩しているためです(参考: iPhone 8/Xの「A11 Bionic」はMacBook ProのIntel Core i5を凌駕する性能を持つ)。

つまり、少なくともMacBookやMac Book Pro13インチにおいては、インテルのCPUはもはや不要で、Aシリーズを採用した方がコスト面でも良いはずなのです。

さらに、アップルのインテル離れの伏線とも思えるのが、2017年12月に発売された「iMac Pro」に、なぞの「T2」と書かれたアップル製チップが搭載されていたことです(参考: iMac Proをバラバラに分解すると謎のチップが搭載されていることが判明)。

この「T2」のチップのように、アップルは今後は独自のチップの採用を増やしていくのではないかと見られているのです。

iPadアプリがMacで動く日は近い?

MacのCPUが自社製に切り替わる他の要因として、iPadととの互換性を持たせるためという理由も考えられます。

現在のアップルの製品ラインナップを見ていると、iPadとMacの関係がとても曖昧なものとなっています。というのも、iPad Proが登場してから、アップルは「iPad ProでPCをリプレイスする」方向へ舵を切り始めました。その背後で、当然ながらこれまでMacでしかできなかったことが、次々とiPad Proでも可能になり、存在感が薄れていたのです。

2018年3月に発売された新しいiPadは、教育市場に向けて力をいれています。では、Macは今後どの層を狙っていくのでしょうか。それは、iPadでは物足りなくなった人たちへ向けた上位機種という位置付けが有力かもしれません。

現状では、iPadからMacBook(無印)へ乗り換えると、対応するアプリ数が激減するばかりか、iPadよりも処理能力も落ちてしまうためです。

そのため、MacがiPadの上位機種として展開するためには、iPad向けのアプリケーションがMacでも動く必要と、iPadよりも高い処理性能を持つ必要があるのです。

Macがアップル製のチップを採用することで、iPadとMacのアプリの互換性は取りやすくなりますし、Macのプロセッサの処理能力も、iPadシリーズと同等かそれ以上のものを容易に実現できるようになるでしょう。

もう15万円のMacBookが、4万円のiPadに劣ることもなくなるのです。

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最後に

今回は、『アップルがMacに採用する自社製CPUは、iPadとの互換性を高める?』についてご紹介しました。

最近のMacは、「高いばかりで性能も良くない」という風潮がありましたが、自社製CPUの採用でこの流れも変わるかもしれません。

アップル製CPUが採用されるとされる2020年頃になると、さすがにスマホの需要も落ち着き始めるため、今のようにiPhoneの売上に頼りすぎるビジネスも、おのずと変えざるを得なくなってきます。

iPadとMacは、今後のアップルを支えるための、より重要な製品となっていきそうですね。