「ITの時代」は今後も続く?それとも終わる?未来はどっちだ

現代に生きる私たちは、毎日のように新しいスマホ、タブレット、PC、ドローン、VRといった「ハイテク製品」や、Uber、Airbnb、メルカリ、Netflix、Amazonといった「ハイテクサービス」を目にすることができます。

このことからも、現代は間違いなく「ITの時代」と言って間違い無いと思います。現代のITの技術はものすごい勢いで進歩していて、近い将来には、「AIが人類を超える」といったSF小説のようなこともよく言われています。

しかしながら、現代の「ITの進歩」を見ていると、どことなくかつての「宇宙開発」を彷彿とさせるところがあります。

1950〜70年代にかけて宇宙開発が全盛期を迎えていた頃は、「21世紀になる頃には、宇宙旅行ができる」、「21世紀になる頃には、人類は月に住める」と言われていました。

もちろん、それらの夢はいまだに実現していません。様々な要因から1970年代を最後に、宇宙開発が終息へ向かったためです。

果たして、ITの時代は、宇宙開発のようにあっけなく終わってしまうことがあるのでしょうか。それともこれから何十年も続いていくのでしょうか。

加熱するIT企業バッシング

2018年の3月頃から、米国ではIT企業へのバッシングが熱を帯びてきています。

ことの発端は、世界最大のSNSを手がけるフェイスブックの個人情報流出問題で(参考: 米フェイスブック、情報流出は最大8700万人分の可能性)、その後はドナルド・トランプが唐突にアマゾン批判を展開するなど(参考: トランプがアマゾンに仕掛ける「戦い」、消費者も犠牲に)、ここ最近はIT企業へ対する風当たりが強くなってきているのです。

ITバブルは2000年代初頭に1度崩壊しているのですが、2010年代に入るとスマホの普及と相まって、現在は新たなバブルを迎えています。

アップル、グーグル、アマゾン、フェイスブックの4大IT企業は、今や世界の時価総額ランキングでも上位を占めるなど、猛威を振るっているわけです。

さらに、大手のみならず、未上場ながらも評価額が10億ドルを超える、Uber、Airbnb、Pinterestなどの、いわゆるユニコーンと呼ばれるベンチャー企業がここ10年の間に続々と誕生しました。

それを象徴するかのように、ITの聖地シリコンバレーでは、家賃の急騰が起こり(参考: 高騰するアメリカの住宅と、家を失い漂流する中流階級たち)、ホームレスが急増してしまったという問題も生まれています。

加えて、スマホの普及とともにさらに成長したIT企業たちは、ネットフリックスがブロックバスターを廃業に追いやり、ウーバーがタクシー会社を倒産においやり、アマゾンがトイザらスを倒産に追いやったように、既存の仕事を破壊し、雇用を奪っているともしばしば非難されています。

そして、このままのペースでITの進歩が続けば、2030年には今ある職業のうち49%がAIに代替されるかもしれないという話もあります(参考: AIによって10年後なくなる仕事なくならない仕事を200職業分類しました!)。

このような背景から、今後はIT企業へ対するバッシングが、ますます加熱する可能性があります。

ITの時代はそろそろ終わるのか、それとも続くのか

もしも、後から振り返って見て、現在がIT企業にとって最も良い時代だったと仮定すればどうでしょうか。

もしかすると、90年代から始まった、パソコンとインターネットの急速な普及、2010年代のスマホの急速な普及というのは、市場にバブルをもたらし、IT企業たちが飛躍する最高の時代だったのかもしれません。

その後の2020年代以降は、スマホブームの終息と、IT企業バッシングによって、IT企業たちにとっての、冬の時代が訪れるかもしれないのです。

スタートアップバブルは昔の話となり、特に真新しい製品やサービスも生まれなくなり、既存のIT企業たちが、バッシングの影響で徐々に縮小し、倒産していくのです。

ついには業績を落としたIT企業たちは、AIの研究開発を断念し、2030年になっても現代とそう変わらない未来が待っているのでしょうか。

この仮定もなくはない未来ですが、もちろん、逆にIT企業たちが2020年代以降も今と同等か、それ以上の急速なペースで成長を続け、2030年には今からでは全く想像もできないような新しい製品・サービスが私たちの生活を一変させているという未来もあり得ます。

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最後に

今回は。『「ITの時代」は今後も続く?それとも終わる?未来はどっちだ』についてご紹介しました。

結局のところ、ITの時代が終わるのか、続くのかは誰にも分かりませんが、私は今のペースでの成長を続けて欲しいと願っています。

テクノロジーの進歩を止めないためには、やはり昨今のIT企業バッシングを、これ以上加速させないことが大切です。

もちろん、ITの急すぎる進歩がさまざまな問題を引き起こしているのも事実です。

「ITの時代」が、現代をピークに終わってしまう未来も十分に考えられるため、私たちはどういう未来を望むのか、今一度考えるときに来ているのかもしれませんね。