Apple TVのケーブルテレビ放送対応は「tvOS内臓テレビ」の布石かも?
「Apple TV」の最新OSとなる「tvOS 12」では、米国でケーブルテレビの「Charter Communications」に加入済みの場合、ゼロサインオン(ログインなし)で放送を視聴できるようになるそうです(参考: 【WWDC 18】Apple、tvOS 12を発表)。
このように、「Apple TV」がケーブルテレビのSTB(セットトップボックス)のような役割を果たし、「tvOS」の中で従来のテレビ放送を視聴できるようになってきています。
では、なぜ「tvOS」でケーブルテレビを視聴できるようにするのかという疑問ですが、これはもしかすると、「tvOS内臓テレビ」を発売する布石なのかもしれません。
以前にも、「アップルがApple TVの機能を内臓したテレビを作っているのでは?」というリーク情報が出ていました(参考: オールインワンのディスプレイ一体型のApple TVが登場するかも!?)。
果たして、Apple TVのケーブルチャンネル対応は、「tvOS内蔵テレビ」が登場する布石なのでしょうか。
Apple TVのケーブルチャンネル対応はtvOS内蔵テレビの布石?
「なぜアップルがApple TVでケーブルテレビを見れるように取り組んでいるのか」を考えると、やはり「tvOS」でテレビ放送を見れるようにするためという理由が大きいと思われます。
「Apple TV」はiTunes Storeの映画やテレビ番組、Netflix、Amazon Prime Videoなどのビデオストリーミングサービスの視聴には特化されていますが、従来までのケーブルテレビなどの「テレビ放送」は視聴することができなかったわけです。
もしも「Apple TV」が、テレビにHDMI接続する外付けメディアストリーミング端末に留まるなら、わざわざ「tvOS」をケーブルテレビ放送に対応させる必要はなかったと思います(テレビに別途接続されているSTBで視聴できるため)。
しかし、昨今はグーグルと組んだ「Android TV」や、Amazonと組んだ「Fire TV Edition」などの、テレビ1台で放送もストリーミングも全て視聴できる「スマートテレビ」というのが主流になりつつあります。
このような、いわゆる「スマートテレビ」がどんどん普及してくると、わざわざテレビのHDMIポートにApple TVを接続する人がいなくなってくるわけです。
なのでアップルは、「Apple TVのtvOSを内蔵したテレビを発売する準備をしているのではないか」と予想できるのです。
「tvOSを内蔵したテレビ」を発売するためには、やはりテレビ放送を視聴できることはマスト条件になってきます(テレビの見れないテレビを発売するわけにはいかない?)。
そこで従来の同軸ケーブルを経由してテレビ放送を見るのではなく、インターネットを経由してゼロサインオンで放送を見れるようにすることで、設定いらず、外部機器接続も不要の超シンプルで使いやすいスマートテレビが誕生するというわけです。
これがアップルの狙っている、真のスマートテレビの姿なのかもしれませんね。
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最後に
今回は、『Apple TVのケーブルチャンネル対応はtvOS内臓テレビの布石?』についてご紹介しました。
米国における従来のテレビ放送と次世代のネット配信の融合をめぐっては、グーグルの「YouTube TV」が先駆けて実践しています。
おそらく、若い世代は「YouTube TV」で構わないと思うのですが、テレビ放送のヘビーユーザーである中高年はネットでのアカウント作成やサインインといった類のものを嫌う傾向があると思います。
そのため、なるべく従来通りのやり方で、かつ何もしなくてもそのままテレビ放送が楽しめるようになるゼロサインオンが今後はキーになってくるかもしれません。
また、現状は米国限定の話ですが、今後は日本を含めた海外にもゼロサインオンが展開されることに期待ですね。
「Apple TV」と「tvOS」が今後どのような展開を見せるのか楽しみですね。