「Netflix(ネットフリックス)」が日本でシェアを拡大するには何が必要?

「Netflix(ネットフリックス)」といえば、世界で1億3千万人以上の有料会員数を誇る、世界最大のビデオストリーミングサービスで、日本でも2015年よりサービスを開始しました。
日本上陸前は「黒船来航」と恐れられていたNetflixですが、日本でのサービス開始から3年が経った2018年時点の定額動画配信サービスの日本市場におけるシェアは5位で全体の7%と、当初予想されたよりもずっと低い結果になっています(参考:ネットフリックス、日本で苦戦 シェア伸び悩み7%)。
アメリカでは市場の約半数のシェアを取るほど人気の高いサービスなのですが、日本においては「dTV」の20.3%が首位で、2位の「Hulu」が13.5%と、ライバルに遅れをとっているのが現状のようです。
果たして、今後Netflixが日本でシェアを拡大することはできるのでしょうか。また、そのためには何が必要になってくるのでしょうか。
Netflixが日本でシェアを拡大するためには何が必要?
市場シェアをおさらい
まず、日本の定額動画配信サービスのシェアを確認すると、「dTV」、「Hulu」、「U-NEXT」、「Amazon Prime Video」、「Netflix」の5つのサービスで65%を占め、残りの「その他」をひっくるめると35%になっています。
そうです、日本の市場では「その他」の割合がなぜか首位の「dTV」よりも15%も高いという不思議なことが起きています。
これは、現状の日本では数多くのビデオストリーミングサービスが市場に参入し過ぎているためだと思われます。
そもそもアメリカでは早い段階でNetflixが市場を独占したのですが、日本ではNetflixもHuluもAmazon Prime Videoも上陸が遅かったため(2014〜15年だった)、携帯会社やテレビ局などが我先にと続々と独自のビデオストリーミングサービスを始めていきました。
ドコモは「dTV」、auは「ビデオパス」、ソフトバンクは「UULA(今は亡き)」、そして「NHKオンデマンド」、「日テレオンデマンド」、「フジテレビオンデマンド」、「テレ朝動画」、「TBSオンデマンド(現パラビ)」などなどです。
このように日本では、「これ」という定番が決まらないままサービスが乱立してしまって、「その他」の割合が35%と高くなってしまったのかもしれません。
しかしながら、今後はこの「その他」の部分が徐々に減っていき、代わりにトップ5のいずれかがシェアを増していくと予想します。
つまり、今は分散しているのもが、今後はより1つのサービスに集中していくということです。
そのため、Netflixにもまだまだチャンスはあります。
鍵はオリジナルの日本ドラマ?
では、Netflixが日本でシェアを拡大するためには何が必要かというと、それはずばり巷でよく言われているように、オリジナルコンテンツに力を入れることで、なかでも「日本ドラマ(邦ドラ)」でヒット作を出すことです。
Netflixはすでに、「海外ドラマ」と「アニメ」のオリジナルコンテンツに力を入れまくっていて、この2つは完成度の高い作品がたくさん揃っています。
しかしながら、「日本ドラマ」においては、Netflixはかなり弱いです。今までもいくつかのオリジナルの日本ドラマが制作されてきましたが、キラーコンテンツとなるような決定打はまだありません。
そしてこの日本ドラマの弱さが、Netflixのシェアがなかなか伸びない原因になっているのではないでしょうか。
というのも、いくらNetflixが「海外ドラマ」と「アニメ」に強いとは言っても、日本におけるそれら2つのファンの数を足しても、日本ドラマのファンの数の方が多いからです。
つまり、「海外ドラマ」と「アニメ」は、日本人全体の傾向を見ればニッチな市場であるのです。
やはり、「ストレンジャーシングス」や「デビルマン」は一部の人しか見ないかもしれませんが、「半沢直樹」や「逃げ恥」なら日本人の多くの人が見ます。
また、市場で首位の「dTV」は、早くから日本ドラマの制作に力を入れていたためか、強豪たちを抑えて20%のシェアを取れたのかもしれません。2位の「Hulu」もオリジナルの日本ドラマの制作をがんばっています。
これらの理屈が合っているなら、今後Netflixが市場シェアを拡大するためのキーになるのは、やはりオリジナルの日本ドラマにありということになりそうです。
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最後に
今回は、『「Netflix(ネットフリックス)」が日本でシェアを拡大するには何が必要?』についてご紹介しました。
かくいう私は海外ドラマが大好きでNetflixを愛用しているのですが、私のような海外ドラマファンは日本ではマイノリティなのは間違いないと思います。
逆に言えば、今のNetflixは「海外ドラマ」と「アニメ」のファンの心はガッツリと掴めているので、次は「日本ドラマ」のファンを納得させるようなオリジナル作品を作れば、今とは全く別のファン層を獲得し、シェアを一気に増やせるのではないでしょうか。
ちなみに、日本ではNetflix日本オリジナルドラマの制作を撤退するかもという噂も出ているようですが、どうかもう少し粘ってほしいところです(参考: Netflix、日本製ドラマの制作中止の噂【真偽不明】)。
Netflixがこれから日本でシェアを拡大できるのか、今後も目が離せませんね。