Apple TVがゲーム機になるために必要な5つのこと!iOSゲームの移植を

先日、Apple TV向けゲームの「Micnecraft (マインクラフト)」がサポートを終了したというニュースが密かに話題になりました(参考: Apple TV用『Minecraft』ユーザーが少ないため更新およびサポート終了。ゲームコントローラー別売りが原因?)。
終了の理由は、Apple TVでマインクラフトをプレイしている人があまりにも少なかったからとのことです。
このApple TV版のマインクラフトは、2016年10月のアップルのイベントで大々的に発表され、同年12月にかなり鳴り物入りでリリースされたのを覚えています。
にも関わらず、わずか2年弱でサポートを終了してしまったのはかなり悲惨なことです。
iPhoneやiPadは携帯ゲーム機としての地位を築いているため、Apple TVにも家庭用ゲーム機としてのポテンシャルに期待されていたのですが、tvOSの登場から3年が経った今、ぶっちゃけApple TVはゲーム機としては成功していません。
とは言っても、ソーシャルゲームのヘビーユーザーの中には、「スマホやタブレットだけでなくテレビの大画面でも遊びたい」というニーズが確実にあると思います。
そのため、Apple TVがPS4やスイッチとは異なる家庭用ソーシャルゲームプラットフォームとして成功できる可能性は十分にあるのです。
そこで今回は、「Apple TVがゲーム機になるために必要な5つのこと」を見ていきましょう。
※追記: 2019年9月よりApple Arcadeに対応しました。
Apple TVがゲーム機になるために必要な5つのこと
1. 純正ゲームコントローラーを用意
1つ目のApple TVがゲーム機になるために必要なことは、「純正ゲームコントローラーを用意」です。
現在のところApple TV対応のゲームコントローラーは、SteelSeries Nimubsなどのサードパーティ製のものに頼りっきりの状態で、アップル自らは純正のゲームコントローラーを販売していません。
ここがまず、アップルのゲームに対する意識が低すぎるようにも思えるのです。
アップルは、スタイラスのApple Pencilや、ワイヤレスイヤホンのAirPodsといった純正アクセサリにはかなり力を入れているので、ゲームコントローラーも同じように本気で作って欲しいのです。
もしもAirPodsのようにWシリーズのワイヤレスチップを搭載して、Apple TVでもiPhoneでもiPadでもスムーズに切り替えて使えるゲームコントローラーを出せば、かなり売れると思います。
このように、まずはアップルがゲームコントローラーを手がけて、ゲームに対する本気度を示す必要がありそうです。
2. iOSからの移植をスムーズにする
2つ目のApple TVがゲーム機になるために必要なことは、「iOSからの移植をスムーズにする」です。
現状では、iOS向けのほとんどのゲームがiPhoneとiPadのみでリリースされていて、Apple TVにはリリースされていないケースが多いです。
Apple TVのtvOSはiOSをベースに作られているので、互換性が高く同じSwiftの言語でアプリが動作するのにも関わらず、なぜデベロッパーはApple TVへのゲームのリリースを行わないのでしょうか。
その理由としてよく挙げられるのは、タッチUIからApple TVのSiri Remote UIへの変換がめんどくさいというものです。
iOSからtvOSへのアプリの移植は、横画面で開発されたものであれば、ほぼそのまま移植できるそうですが、足を引っ張っているのはSiri Remote操作に適応させる作業のようです。
もちろん、Siri Remoteを無視してMFiゲームコントローラー必須の条件でアプリをリリースすることもできますが、冒頭のマインクラフトの例のように、Siri Remote非対応のゲームは敬遠されるようです。
結果として、iOSからtvOSへの移植はSiri Remote対応を行うのが面倒で、Siri Remote対応を行わないベタ移植ではプレイしてもらえないという板挟み状態になっているため、それならばtvOSへはリリースしないという開発者が多いように思えます。
この問題を解決するためには、iOSゲームのタッチUIからSiri Remote UIへの変換を簡単にするツールを提供するか、もしくはアップルが純正のゲームコントローラーを発売して積極的に売っていく両方の対応が求められます。
また、iOSとtvOSで共通に遊べるゲームをリリースすればApp Storeの手数料が割引になるなどのデベロッパーに対するメリットも提示する必要があるでしょう。
3. デベロッパーを誘致する
3つ目のApple TVがゲーム機になるために必要なことは、「デベロッパーを誘致する」です。
現状では、「ぜひApple TVでプレイしたい」と思わせるような、キラーゲームアプリというのはありません。
Apple TV向けのゲームでは、ミニオンラッシュやアスファルト8、リアルレーシング3などが人気を集めていますが、「それらをプレイをするためにわざわざApple TVを購入するか」と聞かれればノーだと思います。
そのため、iOSで爆発的な人気を集めている「Fortnite (フォートナイト)」などのゲームを手がけているデベロッパーに対して、アップルは積極的にApple TVにもリリースすることを求めていかないといけません。
そうすれば、「フォートナイトがテレビでプレイできるならApple TVが欲しい」という風にユーザーも食いついていくと思います。
さらに、アップル製品同士の強みを活かして、iPhoneやiPadでプレイしたセーブデータをクラウド経由でそのままApple TVでも同期できるようにすれば、「外ではiPhone・iPadで、家ではApple TVで」といった風に、ニンテンドースイッチのような場所に最適化したプレイスタイルも確立できます。
このように、まずはアップルがいくらか費用を払ってでもデベロッパーにApple TVにゲームをリリースしてもらうことが重要なのではないでしょうか。
4. Apple TV本体を値下げする
4つ目のApple TVがゲーム機になるために必要なことは、「Apple TV本体を値下げする」です。
現状では、最安価のApple TV 第4世代でも¥15,800(税別)〜と少々高額である気がします。
iOSでソーシャルゲームをプレイしているユーザーを狙うとすると、子どもや若者が中心になるとなるので、せめて¥12,800〜程度にまで値下げをした方が妥当かもしれません。
アップルストアで販売されているゲームコントローラーのSteelSeries Nimbusの定価が¥8,400(税別)なので、Apple TVとゲームコントローラーを合わせても¥20,000未満には収まるように、やはりApple TV本体の価格を今より下げる必要があると思います。
5. ゲーム機としてのApple TVをプロモーションする
5つ目のApple TVがゲーム機になるために必要なことは、「ゲーム機としてのApple TVをプロモーションする」です。
アップルのウェブサイトを見ていると、アップルはApple TVを動画プレーヤーとして売り込んでいる印象を受けます。
もちろん、4K対応映画や動画配信サービスが楽しめるのは素晴らしいことなのですが、ことApple TVのゲーム機能に関してはほとんど宣伝されていないのです。
そのため、まずはフォートナイトなどのiOSの人気ゲームをどんどんApple TVに移植してもらい、「Apple TVを使えばiOSの人気ゲームがテレビで遊べますよ」という宣伝をしていく必要があります。
そうすることで、iPhoneやiPadでゲームを楽しんでいるユーザーがApple TVに関心を示すようになっていくはずです。
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最後に
今回は、『Apple TVがゲーム機になるために必要な5つのこと!iOSゲームの移植を』についてご紹介しました。
とどのつまり、最も重要なのはもっとゲームの数を充実させるということです。
せっかくApple TVを買っても現状ではまともに遊べるゲームは限られているので、iOSのゲームがApple TVにも対応しているのが当たり前の状況を作り出していく必要があります。
とは言っても、アップル自身が今後Apple TVをどうしていきたいと考えているのかは分かりません。
Apple TVはtvOS 12でDOLBY ATMOSに対応したことや、次は独自の動画配信サービスを開始するという噂も出ているので(参考: Apple TV定額見放題サービスは2019年スタート?)、やはり今後も動画プレーヤーとして売っていきたいのでしょうか。
Apple TVが今後ゲーム機として開花することはあるのか目が離せませんね。
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