AV1の普及は早いかも?Microsoftがデコーダーのベータ版をリリース!

2018年11月12日に、MicrosoftはWindows 10向けに次世代動画コーデック「AV1 (エー・ヴィー・ワン)」のデコーダーとなる「AV1 Video Extension」を公式にリリースしました(参考: Microsoft、H.265より高画質な「AV1」コーデックのベータ提供開始)。

「AV1 Video Extension」はMicrosoft Storeで配布されていて、インストールすることでAV1コーデックの動画がWindows 10で再生可能となりますが、まだ不具合が残っているためかベータ版とされています。

AV1コーデックをめぐっては、GoogleがブラウザのChromeで採用したことや、動画プレーヤーのVLCでもすでに対応しています。

今回のMicrosoftの公式AV1デコーダーのリリースによって、AV1の普及は想定よりも早く進む可能性が見えてきました。

AV1の普及は早い?Microsoftがデコーダーのベータ版をリリース

そもそも「AV1」とは、Alliance for Open Mediaが規格策定するロイヤリティフリーの次世代動画コーデックで、現在主流のHEVC、VP9などと比べても更に30%以上高い圧縮率を実現するようです。

何よりもこれまでの主流であったH.264、HEVCとは違うロイヤリティフリーの動画コーデックということで、早い段階からGoogle、Apple、Microsoft、Netflix、NVIDIA、Adobe、Intel、Amazon、Huluなどの主要な企業が支持を表明したことでも話題となりました(参考: HEVC/H.265対抗の動画コーデック「AV1」が正式リリース)。

従来のGoogleが規格したVP9もロイヤリティフリーの動画コーデックでしたが、競合するMPEG陣営のHEVCの方が圧倒的に採用率が高かったために、VP9はYouTube以外ではほぼ採用されずに終わりました。

しかし今回のAV1は違っていて、正式リリースされた2018年3月時点ですでに多くの大手IT関連企業が支持していたことや、リリース後もGoogleのChrome、VLC、そして今回のMicrosoftのAV1 Video Extensionといった具合に、怒涛の勢いで対応が進んでいるのです。

今後はYouTubeやNetflixの動画がAV1に対応することが予定されていますし、おそらくAndroidの対応も近い(バージョン9.0で対応?)かもしれません。

AppleのAV1対応はいつ?

GoogleとMicrosoftがすでにAV1対応を進めているので、あとはAppleがいつ対応するのかが重要になりそうです。

早ければ2019年のiOS 13、macOS10.15で対応するかもしれませんし、遅くとも2020年のiOS 14、macOS 10.16で対応することは間違いないと思われます。

※追記: iOS13、macOS10.15ではまだAV1には対応していません。

何しろAV1はこれまでの動画コーデックとは違って、スタンダードになることがリリース前から確定しているので、Appleの対応も想定よりも早いかもしれません。

Appleとしても、早くH.264、HEVCにグッバイして高額なロイヤリティ料金の支払いから解放されたいと思っているはずです。

ただ、問題なのがこれまでのiPhone・iPadに搭載されている従来のAシリーズプロセッサでAV1コーデックの動画が十分に再生できるのかどうかという点です。

もしもAV1を再生するためには、次世代のA13プロセッサ以降を搭載したデバイスでないと対応できないとなると、普及はまだまだ先の話となるかもしれません。

いずれにしても、AppleのAV1対応がいつになるのかが、今後重要になってきそうです。

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最後に

今回は、『AV1の普及は早いかも?Microsoftがデコーダーのベータ版をリリース!』についてご紹介しました。

このようにベータ版ではありますが、すでにWindowsでAV1コーデックの動画を再生することが可能となっています。

2018年11月時点で、すでにGoogle ChromeやWindows 10がAV1に対応した現状を見ると、2019年にはかなり広範囲にAV1が普及していくことに期待できそうです。

あとは、肝心な動画コンテンツを配信しているYouTube、Netflix、Amazon Prime VideoなどのAV1対応に期待がかかるところで、このペースであれば遅くとも2019年中には対応してくれると思います。

AV1コーデックの普及が今後どうなっていくのか目が離せませんね。