NetflixやAmazon Prime Videoに国内ドラマが少ない2つの理由!テレビ局は必死?

最近は、「Netflix (ネットフリックス)」や「Amazon Prime Video (アマゾン・プライム・ビデオ)」といった定額動画配信サービスが人気を集めています。

これらのサービスは、定額制で映画やドラマが見放題なのがウリです。

ところが、実際にこれらのサービスを使ってみると、「なぜか日本のテレビドラマがほとんどない」、「日本のテレビ番組はアニメばかり」ということに気がつくと思います。

一体なぜ、NetflixやAmazon Prime Videoには日本の国内ドラマが少ないのでしょうか。

今回は、その理由について見ていきましょう。

NetflixやAmazon Prime Videoに国内ドラマが少ない2つの理由

理由1. テレビ局の自社サービスを売り込むため?

1つ目のNetflixやAmazon Primeに国内ドラマが少ない理由は、「テレビ局の自社サービスを売り込むため?」です。

日本のテレビドラマを製作しているのは、当然ながらテレビ局です。

そして日本のテレビ局は、それぞれ自社の動画配信サービスを展開しています。

2019年4月時点では、フジテレビはFOD、TBSはParavi、日テレはHulu(happyon)、テレ朝はAbemaTV、NHKはNHKオンデマンドと言った具合にです。

そして当然ながら、各テレビ局は自社で製作したドラマを自社の動画配信サービスに優先的に配信するようにしています。

例えば、大ヒットしたTBSの「逃げ恥」などはParaviで独占配信ですし、日テレの「今日から俺は」や「3年B組」などもHulu独占、フジテレビの昔のヒットドラマもほとんどがFOD独占となっています。

もちろん、NetflixやAmazon Prime Videoにも、いくつかのテレビドラマがおこぼれ的に配信されていますが、その数はとても少ないのです。

やはり、人気コンテンツは他社サービスには流さずに、自社サービスを使ってもらうために独占配信しているのかもしれません。

理由2. NetflixやAmazonにプラットフォームを支配させないため?

2つ目のNetflixやAmazon Primeに国内ドラマが少ない理由は、「NetflixやAmazonにプラットフォームを支配させないため?」です。

2010年代に入ってからというもの、あらゆるサービスのプラットフォームがGAFAに代表されるようなアメリカの巨大IT企業に独占されてきました。

そして次にアメリカ企業に支配されかけているのが、動画配信サービスの分野なのです。

すでに、動画投稿サービスの分野では、日本のニコニコ動画がアメリカのYouTubeに敗北しました。

そのため、このままいくと有料の動画配信サービスの分野もNetflixやAmazonといったアメリカのIT企業に支配されてしまうことになります。

テレビ業界は新規参入が難しい特殊な市場だったで、これまで優位性が維持されてきたのですが、ネット配信が自由に参入できるのためテレビにとっては危機なのです。

言わずもがな、今後はテレビ放送からネット配信へと時代の流れは変わっていきます。

もしも動画配信サービスの分野でParaviやFODがHulu(happyon)が敗北してしまうと、テレビ局の特権は失われることになります。

それだけはなんとしても避けたいのでしょう。

いずれはNetflixやAmazonに敗北する?

結論から言うと、日本のテレビ局が展開しているFOD、Paravi、Hulu(happyon)といったサービスは、結局NetflixやAmazon Prime Videoには勝てないと思います。

その理由は、シンプルに資金力です。

FOD、Paravi、Hulu(happyon)は、基本的に日本国内のユーザーに向けたもので、日本国内からしか利用できません。

それに対して、NetflixやAmazon Prime Videoは世界中にサービスを展開しているので、利用するユーザーの数が桁違いなのです。

2019年4月時点では、Netflixの会員数は1億4,000万人以上(参考: ネットフリックス、1~3月期は22%増収 世界で会員増 )、Amazon Primeも1億人以上が利用しています(参考:アマゾンの「Prime」、米国でピークを迎えたか)。

当然ながら、会員数が1億人もいればコンテンツの製作にバンバン投資できますし、魅力的なコンテンツが作られていけば会員数も増えていきます

日本のテレビ局は視聴率低迷に苦しんで製作費を削られている一方で、NetflixやAmazonは豊富な資金を使って新しいことにどんどんチャレンジできるのです。

この傾向から考えると、およそ3〜4年後にはサービス内容に圧倒的な差がついて、FODもParaviもHulu(happyon)も撤退している可能性があります。

そして撤退した後は、日本のテレビ局はNetflixやAmazon Prime Videoにコンテンツを提供するようになるでしょう。

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最後に

今回は、『NetflixやAmazon Primeに国内ドラマが少ない2つの理由!テレビ局は必死?』についてご紹介しました。

このように、現状ではNetflixやAmazon Prime Videoに日本の国内ドラマが少ないのは、テレビ局が自社サービスを売り込むためと、プラットフォームを支配されないためという理由が考えられます。

しかしながら、資金力の圧倒的な差は今後ますます顕在化し、ユーザーもNetflixやAmazon Prime Videoに集中していくことになりそうです。

そしてNetflixやAmazon Prime Videoと、FOD、Paravi、Hulu(happyon)の会員数に圧倒的な差がつき、赤字経営から脱出できなくなった頃にFOD、Paravi、Hulu(happyon)は市場から撤退することになるでしょう。

そして市場から撤退した後で、ようやくNetflixやAmazon Prime Videoに日本の国内ドラマがたくさん供給されて視聴できるようになります。

果たして、定額動画配信サービスの争いが今後どう展開していくのか、目が離せませんね。