iTunes Storeが終了してなくなる4つの理由!準備完了?

アップルの音楽・動画コンテンツ配信サービスの「iTunes Store (アイチューンズ・ストア)」は、アメリカで2003年に、日本で2005年にサービス開始されました。

「iTunes Store」は、当時は画期的なダウンロード販売で人気を集め、従来のCDやDVDに代わる新しいコンテンツの販売方法として普及しました。

時は流れて2019年、現在は音楽配信は定額制の聞き放題、動画配信も定額制のものが人気を集めるようになりました。

そんな背景から、日本でも2018年に音楽ストリーミング配信の売上がダウンロード販売を上回りました(参考: 初の売り上げ逆転 音楽ストリーミングがダウンロード抜く 18年)。

このように、iTunes Storeの音楽販売は年々売上を落としており、そろそろサービスが終了してなくなる可能性も見えてきました。

そんなわけで今回は、「iTunes Storeが終了してなくなる4つの理由」について見ていきましょう。

iTunes Storeが終了してなくなる4つの理由

1. 音楽のダウンロード販売の利用者が減っている

1つ目のiTunes Storeが終了してなくなる理由は、「音楽のダウンロード販売の利用者が減っている」です。

世界の音楽売上の状態を見ると、2018年は定額制ストリーミングが売上全体の75%を占めるまでに成長し、逆にダウンロードは減少を続け全体の12%まで低下しています(参考: 全世界の音楽売上げ、ストリーミングが躍進し全体の47%に。業界全体では4年連続の成長)。

このように、世界的にはダウンロード販売はCD・レコード等のフィジカルが占める25%よりも売上が低いオワコンの状態となっています。

アップルとしては、年々利用者が減り続けているダウンロードに無駄な投資をしたくないという考えもあると思います。

このことからも、iTunes Storeの音楽販売が終了する可能性は高そうです。

2. アップルはユーザーをApple Musicへ移行させたい

2つ目のiTunes Storeが終了してなくなる理由は、「アップルはユーザーをApple Musicへ移行させたい」です。

減り続けるダウンロードの利用者数とは違って、ストリーミングは飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けています。

アップルの定額制音楽配信サービスの「Apple Music (アップル・ミュージック)」は2015年にサービスを開始し、2018年に世界会員数が5,600万人を突破しました(参考: Apple Musicの有料会員数、5,600万人に達するも伸びは鈍化?)。

Apple Musicの会員数は年々増加していて、今やアップルの主力事業の1つにまでなりつつあります。

そのため、アップルとしては今後も更にApple Musicの契約者数を増やしたいという考えがあり、まだiTunes Storeを使っているユーザーも早くApple Musicに移行させたいのです。

音楽ストリーミングの分野では、先行する「Spotify (スポティファイ)」が世界の有料会員数1億人とApple Musicに差をつけています。

ところが、米国ではApple Musicの有料会員数がSpotifyを上回り勢いづいているため(参考: 米国のApple Music有料会員数、Spotifyを上回る。毎月2.6%~3%の増加)、アップルとしてはこのペースで契約者を獲得し、Spotifyに追いつきたい考えなのかもしれません。

3. 映画のレンタル・購入はTVアプリから可能になった

3つ目のiTunes Storeが終了してなくなる理由は、「映画のレンタル・購入はTVアプリから可能になった」です。

日本でiOS12.3、tvOS12.3より新たに「Apple TVアプリ」が提供開始されました。

「Apple TVアプリ」では、映画のレンタル・購入・視聴が1つのアプリで完結して利用できるため、従来の「iTunes Store」を利用する必要がなくなっています。

そのため、もしも「iTunes Store」のサービスが終了したとしても、映画の視聴に関しては「Apple TVアプリ」で代用することができます。

というよりも、「Apple TVアプリ」から映画のレンタル・購入・視聴が可能になったのは、iTunes Storeを終了させる伏線であるという見方もできます。

4. iTunesソフトがミュージック・TV・Podcastsに分割?

4つ目のiTunes Storeが終了してなくなる理由は、「iTunesソフトがミュージック・TV・Podcastに分割?」です。

リークしたmacOS 10.15のスクリーンショットによると、従来のiTunesソフトが新たに「Music」と「TV」のソフトに分断されていることが確認できたようです(参考: Mac用の次期ミュージックおよびTVアプリのスクリーンショットが流出)。

もちろん、このリーク情報が本物であるかどうかは不明ですが、事実であるとすれば2001年から続いていた「iTunesソフト」の18年の歴史が幕を閉じることになります。

かつてはCDからインポートした楽曲ファイルをiPodやiPhoneに同期するためにiTunesソフトは必須でしたが、ダウンロードやストリーミングが主流になった結果、CDからiTunesソフトにインポートすること自体がオワコンとなりました。

そのためMac/PCのiTunesソフトを解体して、Apple Musicのための「Musicアプリ」、映画のレンタル・購入とTV+のための「TVアプリ」、ポッドキャストのための「Podcastsアプリ」に分けることは合理的であると言えそうです。

そして当然iTunesソフトが無くなれば、iTunes Storeが無くなることも自然な流れです。

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最後に

今回は、『iTunes Storeが終了してなくなる4つの理由!準備完了?』についてご紹介しました。

このようにiTunes Storeは、音楽のダウンロード販売を利用するユーザーが減っていること、アップルがユーザーをApple Musicに移行させたいこと、iTunes Storeの映画のレンタル・購入はApple TVアプリから利用できるようになったこと、iTunesソフトがMusic、TV、Podcastsに解体されることなどを理由として、サービス終了する可能性が高そうです。

ただ、iTunes Storeが終了する問題点としては、日本では一部の人気歌手がダウンロードのみでストリーミング解禁していないということがあります。

これに関しては、iTunes Storeが終了することが発表された後で、しぶしぶストリーミングに対応することになると思います。

果たして、iTunes Storeが今後どうなっていくのか目が離せませんね。