アップルのARスマートグラスが開発中止!?スマホの次はスマホ?

アップルは兼ねてから噂されていたARスマートグラス(メガネ)の開発を中止したと報じられました(参考: AppleのAR/VRヘッドセット、開発中止か?)。

アップルは2017年のiOS11から「ARKit (エーアールキット)」に対応し、iPhone・iPadのカメラを使ったARアプリの提供に力を入れていました。

もちろんスマホやタブレットでARを使って遊ぶと、すぐに腕が疲れてしまうことと、片手が塞がれてしまうという制約があります。

そのため、いずれはアップルもARスマートグラスを発売して、ハンズフリーでARKit対応アプリを楽しめるようになるものだと多くの人が考えていました。

そしていずれは、ARスマートグラスが現在のスマホに代わる新しいプラットフォームデバイスになっていくという期待もあったほどです。

ところが、アップルはARスマートグラスの開発を中止してしまいました。

これは、結局のところスマホの次はスマホであることをアップル自らが示唆しているのでしょうか。

アップルのARスマートグラスが開発中止?

「スマートグラス」と呼ばれる製品をめぐっては、グーグルの「Google Glass」、マイクロソフトの「HoloLens」、そして最近ドコモとの提携が話題になった「Magic Leap」など、さまざまなメーカーが開発に着手しています。

スマートグラスを使うことで、視界全体に映像を映し出すことができ、これまでスマホやタブレット、PCなどでは不可能だった全く新しい使い方が可能になると期待されています。

例えば地図アプリのナビゲーションは、これまではスマホに表示された地図を見て、歩きスマホをしながら目的に向かっていくことしかできませんでした。

ところがスマートグラスを使えば、ユーザーが見ている現実世界の道路の上に重ねるようにナビゲーションの矢印を配置することができるので、ハンズフリーで下を見ることなく安全に目的地までたどり着けるわけです。

あるいは「Minecraft Earth (マインクラフト・アース)」のように、現実世界の上にオブジェクトを重ねて建築するという全く新しいタイプのゲームも遊べるようになります。

もちろん、「地図アプリのARナビ」も「Minecraft Earth」もスマホで対応する予定ですが、やはり数分利用すると腕が疲れますし、片手が塞がれるので体験が損なわれるわけです。

それでもアップルの意向としては、ARはスマホやタブレットで利用すべきで、スマホの次はスマホであるということなのでしょうか。

スマホの次はスマホ?

2010年代に入ってからスマートフォンが爆発的に普及し、人々の生活は大きく変わりました。

これまでパソコンでしかできなかった多くのことがスマホでできるようになり、今やスマホは最も普及しているコンピュータデバイスとなっています。

そんなスマホを代替する次のデバイスは何であるかが気になるところで、特に次世代通信規格の5Gが普及することで、IoTやウェアラブル端末がスマホの代わりになると考える人も多くいました。

それは例えば、スマートウォッチ、スマートスピーカー、そしてスマートグラスなどです。

スマートウォッチ(Apple Watch)とスマートスピーカー(Amazon Echo)は登場してから4年が経過しましたが、これらが今後スマホの代わりになるとは到底思えません。

そして頼みの綱である「スマートグラス」もアップルが見限ってしまったことから、スマホの代わりになる可能性はかなり低くなりました。

おそらくアップルの経営戦略としては、2020年代も既存のiPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TV、HomePod、iPod touch、AirPodsを中心に売っていくことになると思われます。

今やアップルの関心は新製品を開発して売ることよりも、Apple Music、Apple News+、Apple TV+、Apple Arcadeなどのサブスクリプションサービスを契約させる方向にシフトしています。

そのため、必ずしも多額の研究開発費を突っ込んでARスマートグラスを販売することにこだわる必要はないのかもしれません。

▼ハイセンスの4K HDRテレビもオススメです

最後に

今回は、『アップルのARスマートグラスが開発中止!?スマホの次はスマホ?』についてご紹介しました。

このように、アップルはARスマートグラスの開発を中止したと報じられましたため、スマートグラスがスマホの次を担う可能性は低くなりました。

とは言っても、アップル以外のメーカーがスマートグラスを発売して人気を集めて、スマホをリプレイスしてしまう可能性もなくはないです。

かつてパソコンの時代はマイクロソフトのWindows一強でしたが、アップルがiPhoneを発売してから一気にスマホの時代になり、アップルはマイクロソフトを超えて時価総額世界1位の会社になりました。

今後もこれと似たような現象が起きる可能性は十分にあって、スマホよりも更に画期的なデバイスがアップル以外のメーカーから発売されるかもしれないのです。

果たしてスマホの次はスマホなのか、それともスマホよりも更に先進的なデバイスが登場するのか、今後も楽しみですね。