4Kテレビ(放送)が暗い原因はダイナミックレンジ?SDRとHDR

今回は、「4Kテレビ(放送)が暗い原因」についてご紹介します。

2018年12月より、「BS4K放送」が開始し、2020年2月現在はNHK、日テレ、テレ朝、TBS、フジ、テレ東の4K放送を視聴することができます。

「BS4K」は、解像度3,840×2,160、プログレッシブ方式の60fps、HDR対応という最新のフォーマットをHEVCコーデックで放送しているのが魅力です。

そんな高画質放送の「BS4K」なのですが、放送が始まるなり、あることが問題視されています。

それは、「4Kテレビ(放送)が暗い」ということです。

すでに、「4Kテレビ(放送)が暗い」という問題は、複数のメディアで取り上げられいるようです(参考: 4K放送、画質抜群のはずが「あれ、暗い」相次ぐ苦情あの4Kテレビが「暗い」というとんでもない衝撃“4Kテレビが暗い”原因と誤解。消費者守る対策を望む)。

実際に私もBS4K放送を導入してみて、特に「民放BS4K」が暗いことが確認できました。

この「4Kテレビ(放送)が暗い」原因としては様々な推測があるのですが、しばしば言われているテレビの輝度が足りないというのは違うと思います。

その理由は、YouTube、Netflix、Amazon Prime Video、Apple TV+などのネット配信の4KやHDRコンテンツを再生しても暗いと感じることがないためです。

となると、BS4K放送のフォーマットに何かしら原因があるわけで、結論としてはおそらくダイナミックレンジが暗さの原因になっている可能性が高いです。

そんなわけで今回は、「4Kテレビ(放送)が暗い原因」について見ていきましょう。

4Kテレビ(放送)が暗い原因はダイナミックレンジ?

SDRとHDRについて

映像には、「SDR (エスディーアール)」と「HDR (エイチディーアール)」という2種類のダイナミックレンジがあります。

SDR (スタンダード・ダイナミック・レンジ)」は、従来の映像に使われてきたダイナミックレンジの規格で、DVD、Blu-ray、地デジ、BS2K、PS3、ニンテンドースイッチなどは、全てSDRです。

HDR (ハイ・ダイナミック・レンジ)」は、2016年頃から登場した新しいダイナミックレンジの規格で、YouTube、Netflix、Amazon Prime Video、Apple TV+、Ultra HD Blu-ray、BS4K、PS4などが対応しています。

「SDR」と「HDR」の違いは輝度にあって、HDRはSDRよりも広範囲の明暗差を表現できるようになっています。

そして、「BS4K」は、「HLG (ハイブリット・ログ・ガンマ)」方式のHDRに対応しています。

ここでやっかいになってくるのが、一般に4Kと呼ばれる映像にも、4K SDRと4K HDRが混在されていることです。

そしてさらに、民放のBS4Kの放送では、2K SDR、4K SDR、4K HDRの3つが混在して放送されています。

民放BS4KはSDRもHDRに変換して放送

「BS4K放送」は、「NHK BS4K」と「民放BS4K」である違いがあります。

「NHK BS4K」は、ダイナミックレンジの切り替えに対応しているので、SDRのコンテンツはSDRで、HDRのコンテンツはHDRで切り替えて放送されています。

また、「NHK BS4K」では、4K対応の番組のみ放送しています(2Kの番組はBS1、BSプレミアムで放送)。

一方で「民放BS4K」は、全てのコンテンツを4K HDRに変換して放送しています。

そのため、「民放BS4K」では、2K SDRの番組も、4K SDRの番組も、4K HDRの番組も、全てお構いなしに4K HDRに変換して放送しているのです(参考: 民放BS4Kはダイナミックレンジの切り替え非対応!SDRもHDRに)。

実際にBSテレ東4Kでは、

現行のHD放送データ(HD SDR=スタンダードダイナミックレンジ)を、4KのHDR(ハイダイナミックレンジ)方式のひとつである4K HLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)方式にアップコンバートして送出する拠点となる。

BSテレ東で新4K衛星放送の「4Kマスタールーム」を公開

と、2K SDRのコンテンツを4K HDRに変換して放送していることを公言しています。

おそらく他の民放もテレ東方式で4K HDRのアプコン放送を採用しています。

ここで問題になってくるのは、SDRのコンテンツをHDRに変換すると、映像の見え方が変わってしまうということです。

SDRはSDR、HDRはHDRで出力すべき

「民放BS4K」では、SDRのコンテンツもHDRに変換されて放送されています。

そして、巷で言われている「4Kテレビ(放送)が暗い」と言われる原因は、この4K HDR変換にあると思われます。

2K SDR、4K SDRから4K HDRに変換して番組を放送すると、受信するテレビ側は当然「HDRコンテンツである」と認識します。

しかしながら、実際はHDRの皮をかぶったSDRなので、本来想定された映像とは異なる映像がテレビから出力されてしまうのです。

その結果としては、「映像が暗くなる」という問題も発生してくるわけです。

SDRのコンテンツはSDRで、HDRのコンテンツはHDRで出力しないと、テレビからは正しい映像が出力されないのです。

実際にAV Watchの記事でも、

そうした中で「映像が暗く見える」という指摘が、当初よりあったことは事実だ。その原因は、本来は広ダイナミックレンジ(HDR)ではない映像を、HDR映像規格のひとつであるHLG(ハイブリッドログガンマ)に割り付けて放送しているためだ。

“4Kテレビが暗い”原因と誤解。消費者守る対策を望む

と言及されていて、まさにこの通りだと思います。

ここで「NHK BS4Kはダイナミックレンジの切り替えに対応しているのに、なぜ民放BS4Kは対応していないのか」ということが疑問になってくると思います。

このハッキリとした答えはですが、おそらく民放はCMを挟むためではないかと言われています。

CMの度にSDRとHDRを頻繁に切り替えると、正しくCMが放送されないリスクがあるため、民放BS4Kはすべての番組をHDRに一括変換して放送しているのではないかということです。

民放のCM問題に対応するためには、番組単位でSDRかHDRかを区切って、SDRの番組ではCMもSDR、HDRの番組ではCMもHDRに変換して放送するのが良いのではないでしょうか。

この方法によって、「4Kテレビ(放送)が暗い」と言われる問題も解決すると思います。

地デジ4KもHDR変換だったらクレームの嵐に?

2020年2月時点では発表されていませんが、いずれは開始されるであろう「地デジ4K」はどうなるのかということが重要です。

「BS4K」はアンテナやCATVが必要とハードルが高いため、現状加入している人はせいぜい数十万人程度だと思います。

しかしながら、「地デジ4K」となると話は別で、開始されれば少なくとも数百万人が視聴することになると思います。

となると、当然ならがら「4Kテレビ(放送)が暗い」というクレームの数も一気に増えることになるわけです。

ここで、「地デジ4K」では、「民放BS4K」のような4K HDR変換方式は採用せずに、ダイナミックレンジの切り替えに対応してもらうことが求めれます。

そもそも、「BS4K」は、東京オリンピックに間に合わせるために前倒しで開始されたとう話もあるので、「民放BS4K」はとりあえず間に合わせで4K HDR変換を採用したのかもしれません。

「地デジ4K」の開始までには準備期間が十分にあるので、ダイナミックレンジの切り替えにきちんと対応してくれることに期待したいところです。

果たして「地デジ4K」はどうなるのか注目ですね。

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最後に

今回は、『4Kテレビ(放送)が暗い原因はダイナミックレンジ?SDRとHDR』についてご紹介しました。

このように、「民放BS4K」ではSDRコンテンツがHDRに変換されて放送されているため、「4Kテレビ(放送)が暗い」原因になっていると思います。

この問題を解決するためには、「NHK BS4K」のようにSDRはSDR、HDRはHDRと、ダイナミックレンジを切り替えて放送する必要があります。

また、いずれ始まるであろう「地デジ4K」がダイナミックレンジの切り替えに対応するかどうかも今後は重要になってきそうです。

果たして、「民放BS4K」は今後ダイナミックレンジの切り替えに対応してくれるのか、「地デジ4K」はどうなるのか、目が離せませんね。