「倍速」はいらない?オフにして映画は24fpsで見よう

最近は「4Kテレビ」の価格が下がってきて買いやすくなってきました。

そんな背景から、「テレビを買い換えたい」という方も増えていると思います。

そんな新しい「4Kテレビ」に買い換えて使っていると、あることに気がつくと思います。

それは、なぜか映画が安っぽく見えるということです。

最近の液晶テレビ、有機ELテレビには「倍速モード」というのが搭載されていて、標準設定ではこれがオンにされています。

この「倍速モード」は、24fpsや30fpsのソース映像を、無理やり60fpsや120fpsに補完して再生する機能です。

そして結論から言うと、この「倍速モード」はいらないので、オフにするのがオススメです。

倍速はいらない?

倍速とは?

そもそもテレビの「倍速」とはどういう機能なのか見ていきましょう。

「倍速」とは、24fpsや30fpsの映像ソースのコマ数を補完して、60fpsや120fpsに見せかける機能です。

例えば、映画は24コマで制作されているので動きがカクカクしていますが、これを無理やりコマ数を追加して60fpsや120fpsにしてヌルヌルにするのが倍速です。

なぜこのような機能が誕生したかと言うと、ブラウン管から液晶テレビへの移行が始まった2000年代は、まだまだ液晶テレビの性能が低く映像の残像が発生していたためです。

そのため、液晶テレビの残像を誤魔化すために、映像ソースのフレームレートを無理やり増やして残像を目立たなくする措置が取られるようになりました。

ちなみに、「倍速」は英語では「motion smoothing」などと呼ばれます。

時は流れて2020年代に入った現代では、液晶テレビの技術も成熟してきたことに加えて、有機ELテレビの登場や、さらに新しいmini LED、micro LEDといった次世代技術の登場を控えています。

そして2020年現在販売されている液晶テレビは、「倍速」をオフにしてもそれほど残像は目立たなくなりました

そもそも、現代人の多くの人が利用しているスマホやタブレットには倍速の機能は入っていませんが、人々はなんの問題もなく動画を視聴しています。

つまり、もはや「倍速」はなくてもいい機能であることに加えて、むしろハリウッドの監督や役者からは倍速をオフにすることを推奨する意見もあります。

ハリウッドの監督や役者も倍速オフを推奨

ハリウッドの映画監督であるクリストファー・ノーラン、ポール・トーマス・アンダーソン、ジョナサン・モストウ、そして役者のトム・クルーズらは、テレビの倍速をオフにすることを推奨しています(参考: トム・クルーズ「映画を観るならTVのフレーム補間をオフに」と呼掛け。理由は「映像が安っぽくなるから」)。

その理由としては、シンプルに映画が安っぽくなるためです。

映画が24fpsで制作されているのは、それが最も最適なフレームレートであるからです。

2012年の映画「ホビット」が、48fpsのHFR(ハイフレームレート)によって制作されましたが、あまり評判はよくありませんでした(参考: ホビット 決戦のゆくえでHFRをおすすめしない理由)。

また、2019年には映画「ジェミニマン」が120fpsで制作されましたが、こちらも評判は良くありませんでした(参考: Gemini Man HFR Review: A Bold Failure)。

とどのつまり、映画のフレームレートは24fpsがベストで、映画を再生するテレビも「倍速」をオフにすることが推奨されます。

テレビを買ったら倍速をオフにしよう

このように、テレビを買ったらまず「倍速」の機能をオフにするのがオススメになります。

たいていのメーカーでは、テレビの「倍速」は標準でオンにされているので、まずはオフにする必要があります。

「倍速」をオフにする方法はメーカーによって異なりますが、設定メニューを開くとどこかにあります。

もちろん、映画だけでなくテレビ番組であっても、倍速をオフにするのが好ましいです。

テレビ番組にもCMやドラマなどに24fpsや30fpsの映像ソースが含まれているので、「倍速」を使っていると見え方が不自然になります。

結局のところ、映像は余計なことをせずに制作された元のフレームレートで見るのが最も良いと言えます。

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ゲームも倍速はオフにしよう

ここで、「映画やテレビ番組は倍速オフが推奨なのは分かったけど、ゲームはどうなの?」と気になるところだと思います。

結論から言うと、ゲームにおいても倍速オフが推奨となります。

その理由としては、ゲームを倍速モードでプレイすると遅延が大きくなるためです。

実際に「倍速」を使うことで遅延が大きくなることは、専門家の記事でも指摘されています(参考: 【西川善司の大画面☆マニア】あなたのテレビは遅れてませんか? 知っておきたい“遅延”の話-AV Watch)。

また、最近の「PlayStation 5」、「Xbox Series X」などのゲーム機は、4K 120fps出力に対応する「HDMI 2.1」に対応していています。

そのため、そもそも「倍速」を使わなくても120コマでゲームを楽しめるようになってきているのです。

ただし、4K 120fpsでゲームを遊ぶためには「HDMI 2.1」に対応したテレビが必要になります。

このように、「倍速」を使うと遅延が大きくなってしまうため、ゲームにおいても「倍速」はオフが推奨となります。

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最後に

今回は、『倍速はいらない?オフにして映画は24fpsで見よう』についてご紹介しました。

このように、テレビの「倍速」の機能を使うと映画が安っぽくなるので、「倍速」はオフにすることがオススメです。

また、ハリウッド映画の監督や役者もテレビの「倍速」はオフにすることを推奨しています。

そのため、新しいテレビを買ったら、まずは設定メニューから「倍速」をオフにしましょう。

また、ゲームにおいても遅延が大きくなってしまうため「倍速」はオフにしましょう。

もちろん、「倍速のあのヌルヌル感が好き」という人もいると思うので、そういう方はオンにしていてもいいと思います。

皆さんも、テレビの「倍速」をオフにして、快適に映画の視聴を楽しみましょう。